今日でアイドルを興味持たせる為の講座は
終了。

 講座っていうものじゃなかったけど。

 最初はアイドル興味持たせると言った俺は冗談で言ったつもりが、辻本さんからアイドルを興味持たせてと言われてから、早3日経った。 

 だけど、昨日の辻本さんの言動にはどうし
たらいいか分からなかった。

「…今日で終わりだな」

 俺は一人呟いてから、机に顔をくっつけた。
今日で終わり。やっと解放される、辻本夏夜
から。

 なのに、なんだこのモヤモヤは!

「秋斗。夏夜ちゃん」

 友は俺に体をユサユサしながら、起こして
きた。

「え?おう」

 俺は起き上がり、目の前には辻本さんがい
た。

 先程、授業が終わり、お昼休みの時間にな
ったのだ。

「…屋上行くでしょう」

 辻本さんは俺の話など聞かずに、屋上に行
こうと誘ってくる。

 理由はわかってるけど、俺の意見も聞いて
ほしい。

「あ、おう」

 辻本さんの言われた通り、返事をして立ち
上がる。

 周りのクラスメイトは、俺らを見てきた。
 そりゃ、そうだ。

 地味男と人気者女子。

 この前は辻本さんが仲のいい男女の友達に
言い放ったが、やはり、人気者の辻本夏夜に
は皆逆らえないのか普通通りに変わらず接し
ていた。

 皆に逆らえない程の人気者がなんで俺にか
まってるのかが理解ができない。

「…昨日の答え、わかった?」