ブチっときれたのか辻本さんは立ちあがり、
面白いくらいに反論する。

「あの、お取り込み中申し訳ないけど。お菓
子とか買ってきたんだけど、食べる?」

俺は言い返そうと、口を出そうとすると、買
い物から帰ってきた友が苦笑いを浮かべて、

辻本さんと俺に言う。

「あ、そ、そうだな」

 俺は固まりながら、友に返事をする。

「あ、うん。食べる」

 辻本さんも下に俯きながら、友に答える。

「ねぇ、二人で何してたの?」

 ニヤニヤした顔で俺と辻本さんを見ながら、
質問してきた。

「何もないから」

 俺は床に座り、真向かいに座った友に言う。

「そうなのかな?夏夜ちゃんも秋斗と同じ意
見?」

 友は頬杖をつけて、首を傾げていた。

「……そうだよ」

 俺はテーブルに置かれた雑誌2冊をパラパ
ラとめくって、言う。

「そっか。なんだよ。つまんない。折角、な
んかあるのかなと思ったのに」

 友は不機嫌そうに両頬を膨らませて、俺に
答える。

「何もないから。気にすんな」

 めくったページを閉じてから、また友に発
した。

「そう。あ、お菓子あるから。ここに置くね。
あと、飲み物買ってきたから」

 友はささっと袋から出して、テーブルに置
いた。

「ありがとな」

 俺は返事をした。

「夏夜ちゃんは、紅茶。秋斗はカフェラテ。
僕はソーダ。じゃあ、どうぞ」

 友は一人ずつ渡してから、台所から皿を持
ってきた。

「じゃあ、お菓子はここに入れてね」 

 数分の間で、友はパッパと用意してから、
俺と辻本さんに話しかけてきた。

 俺は床に座り、カフェラテのキャップを開
けて、一口飲む。

 そして、友は俺と辻本さんに言う。

「じゃあ、アイドルフアン活動、始めようか」

 友は座るなり、俺とやっているフアン活動
を始めようかと口にした。

「え?辻本さんいるのに」

 俺は辻本さんがこの部屋に来るだけで済ま
されないことは分かっていた。

 だけど、まさか本当にやるとは。

「だって、直接見てもらった方が早くないか」

 友は思ったことを口にするから悪気はない
と思う。

 でも、フアン活動を見てもらうことは恥ず
かしい。学校でもあんな姿見せたことないし。

「……友。本気で言ってんだよな」

 俺はおでこを手で拭い、友に言う。

「本気!夏夜ちゃんは、どう?」

 いつにも増して、やる気に満ちている友は元気いっぱいに返事をした。