夏夜の男子友達が俺たちのとこに来て、か
らかい始めた。

「…私が誰と話そうと関係ないはずだよ」

「そうだけど。なんでこいつらといるの。地
味だしネクラだよ」

 夏夜の女子友達も男子友達と同じことを言
う。

 そうだよ。どうせ俺らは、地味で取り柄が
ないからな。

 俺は友にアイコンタクトを取り、席を立と
うとした。

「…関係ないでしょ。あなた達にこの人達の
魅力否定しないで!」

 夏夜はいきなり大声で、夏夜の友達に言う。
 俺らはびっくりして、立ちすくんだ。

「行くよ」

 俺たちの手を引いて、辻本さんはどこかに
連れて行こうとした。

「…あの!辻本さん離して」

俺は少し大きい声で、辻本さんに声をかける。

「あ、ゴメン」

 辻本さんは、申し訳なさそうに俺たちに手
を離して謝る。

「いいんですよ。夏夜ちゃん」

 友は嬉しそうに笑い、ニヤニヤして辻本さ
んを見つめる。

「友。あんま興奮すんなよ。ひなちゃんに似
てるからって。ってか、あんまり似てないか
らな」

 俺は友に忠告をした。

「ひなちゃん?」

 疑問符が頭についているかのように、辻本
さんは首を傾げた。

「あー、グループ炎の癒し系担当のひなちゃ
んに似てるなってこと」

 俺は友が考えていることを解説した。
 すると、驚いたかのように目を丸くしてい
た。

「私が?」

 辻本さんは自分を人差し指でさして、俺に
言う。

「そう。でも、似てないよな。改めてちゃん
と話すと」

 俺は素直に辻本さんに言う。

「……そうかな」

 辻本さんは返事をして、俺をジッと見てい
た。

 そんな時、友が声をかける。

「ねぇ。せっかくだから、学校サボってどっ
か行かない?」

「いや。授業サボるのはよくないだろう。だ
ったら、授業受けながら、アイドル雑誌見た
方がよくない」

 俺は思ったことを口にする。

「…もう。それってサボってると同じじゃな
い?」

 友は呆れた顔しながら、俺を見る。

「え?」

「確かにそうだね。サボりと同じ。だったら、
あなた達のフアン活動見せてよ」

 辻本さんは共に同意しながら、俺たちがや
っているアイドルファン活動を見たいという。

「…いや、それはちょっと」

 俺は苦笑いを浮かべて、辻本さんに言う。

それは無視して、友は笑顔で辻本さんに答え
る。

「行きましょう!!夏夜ちゃん」

「はあ?友なに言ってんの!」