「起立・礼。お願いします」

 授業を終えてから、クラスメイトはわちゃ
わちゃと騒がしくなる。 

 そこに集まっているのは、黒板の隣にある
ホワイトボードに掃除担当表の紙であった。

 一週間に一回担任が決める。

 今日は月曜日なので、授業終えてからみん
な集まって見ていた。

 先生に言ったから変えてもらったかな。
 今週は楽な掃除で。

と男女問わずに言っていた。

 仲のいい友人同士で話し合い、楽しそうに話していた。

 学校カーストでは、人気者が上位だ。それは運動部か文化部によって、クラスの立場は変わってくる。

俺はもちろん下位だ。

部活動に入っていないし、交流関係は特になく、唯一話すのは、共通の話題がある友人・友のみだ。

「あった」

そんな時、集団の中で後ろで俺はひとり呟
いた。

「秋斗。何だった?」

友は俺の肩をポンっと叩き、俺に言う。

「教室掃除」

俺は無表情で友に返答した。

「マジか。あ、僕トイレ掃除だ。嫌だな。あ、
今日もやるよね。フアン活動」 

ショボンとしながら、友は頭を抱えていた。

「ああ。行くよ」 

 友を慰めながら、俺は返答した。

「よし、じゃあ掃除終わったら行こう」

 友は笑顔で俺に答えて、掃除場所へ向かっていた。

 友が行った後、教室掃除をし、ほうきを持って一人でていた。

 すると、廊下から声がしてきた。

「ねぇねぇ。夏夜、炎のアイドルグループか
っこいいよね」

 女子一人は、楽しそうにアイドルについて
話していた。

「興味ないの知ってるでしょ」

 夏夜という女子は、冷たそうに女子一人に
声をかける。

「知ってるよ。興味あるのは」

「「恋愛」」

「分かってんじゃん」

 声を合わせてから女子一人に言う。

 夏夜はにこやかに笑って、楽しそうに女子
一人と話をしていた。

 今時、女子がアイドルに興味ないなんてい
るんだ。

 俺は掃除を終えてから、友と合流して、俺
の家に行った。

「準備いい? 秋斗」

 友は部屋にあった定位置に置いてあるペンライトを持って、俺に話しかけてくる。

「いいよ」

 俺は返事をして、自分用のペンライトを持
ち、返答する。

「イエーイ。ひなちゃんかっこいい」

「ひなちゃん!!」

 俺らは何をやっているのかというと、男性
アイドルグループのライブ観賞会だ。

 俺たちが好きなのは、男性アイドルグルー
プの「炎」。

 DVDを流して、盛り上がっていた。

 1時間ほど盛り上がった後、10分の感想タイムを設けている。

 その間にさっきほど見た感想を述べていく。

「あー、やっぱりひなちゃん。かっこいいよ
な」

 興奮気味にひなちゃんについて言っていた。