でもなんで、いきなりライトが点いたんだろう……?
その疑問に答えるように、遠くから声が聞こえた。
「ヒーナちゃーん! ガークさーん!」
声のする方へ振り返ると、資料館の二階のベランダから、手を振っている人影が見えた。
え? リサさん?
「おめでとー!」
身を乗り出して叫ぶリサさんと、その周りを囲むように並んでいる人影が、みんな揃ってこっちを見ていた。
愛香と小川さんはリサさんと一緒に手を振っていて、保志さんと宇野さんはその後ろで少し苦笑い。潤平くんは……仕方ないな、って顔で笑ってる。
嘘、もしかしてみんなずっとそこにいたの?
「一緒にいたの、リサちゃんだけじゃなかったんだ」
「全部聞かれてたのかな」
「これだけ離れてたら声は聞こえないだろうけど。見てはいただろうね」
桐原さんもなんだか決まりの悪そうな顔をしてリサさんたちを見ている。
西さんはどこへ、と思ったら、リサさんが下に向かって何かを合図したのが見えて、その瞬間にぱっとライトが消えた。そういえば、イベントの設営の手伝いに行ってたって……もしかして勝手に動かしたの?
また外灯の薄明かりだけに戻った中で、お互いの顔を見合わせて、私たちは同時に笑い出した。
「さすがリサさんっ」
「やられたな」
至近距離でくすくす笑い合う。もう一度資料館のほうを見ると、もうみんなの姿はなかった。どうやって勝手に入ったんだろう、あとで怒られなきゃいいけど。
どちらからともなくまた顔を寄せ合って、キスをする。今まであんなに遠く感じていた距離が、一気に近くなる。おでこをくっつけたまま、精一杯の気持ちを込めて囁いた。
「大好き」
桐原さんに腕を引き上げられて、座り込んでいた体勢から立ち上がると、ちょっと足元がよろめいた。でもちゃんと抱きとめてくれて、そのままぎゅ、と抱きしめられる。寒さでこわばっていた体から、ふっと力が抜けた。彼が少しかがんで、またキスをしてくれた。
もっとガチガチに緊張するかと思ったけど、全然そんなことなかったな。
むしろ安心するくらい。体の一部が触れ合うだけなのに、どうしてこんなにあったかい気持ちになるんだろう。
「私のファーストキス、です、よ?」
そっと窺うように彼の顔を見上げると、意外そうに目を見張った。
「だって、松田君は?」
「あれ、唇じゃなかったんです。ギリギリ外れてた」
潤平くんはきちんと外してくれたんだけど、周りからは口にしてるようにしか見えなかったんだろうな。
「誤解、解こうとしたんですけど、あの時聞いてくれなかったから」
ちょっとだけ拗ねたように言ってみたら、彼は困ったように眉をひそめて、ごめん、と言った。その顔が可愛く見えて、また笑う。
今度は私から抱きついて、背中に回す手に力を込めた。彼の手が私のことをあやすように、ゆっくりと髪を撫でる。その手の動きが気持ちよくて、目を閉じて体を預けた。彼の手が触れる場所からやさしい気持ちがどんどん流れ込んでくる。
私のなかに湧き上がってくる愛しさを、伝えたい。
「桐原さん」
「ん?」
「好きです」
「うん」
「大好き」
「うん」
「すごい好き。めちゃくちゃ好き。どうしようもないくらい好き」
言葉じゃ足りない。伝えきれない。
「どうしたの、いきなり?」
笑いながら体を離そうとする彼の手に逆らって、抱きつく腕にさらに力を込めた。
「だから、今日はずっと一緒にいてください」
私の言葉に、彼が動きを止める。
「……俺も男だから、どうしてもヤラしい意味にとっちゃうんだけど」
「その意味で多分、合ってます」
彼の手が迷うように背中と頭に交互に触れて、それからそっと私の手を引き剥がした。
私の顔を覗き込んで問う。
「無理してない?」
「してません」
ずっと触れていたいし、触れて欲しい。体の中の抑えきれない想いを伝えるには、きっともうキスだけじゃ足りない。
「私の初めて、全部もらってください」
***
初めて訪れる彼の部屋は、殺風景なくらい片付いていた。
ベッドに座って見つめられると、やっぱり緊張してしまって。
震える私に、彼はたくさんキスしてくれた。額に、こめかみに、まぶたに、唇に。
首筋に、肩に、手に。全身にキスの雨が降る。
固まった私の体を、彼の舌と指が、ゆっくりと溶かしていった。むずかる子供をあやすような優しさで、壊れやすいものに触れるようにそっと。そして時に、砂漠の中で一滴の水を求めるように、荒々しく。
触れられた部分から火が点って、体中が熱くなる。殻が一枚一枚はがされて、わたしというかたちがグズグズに崩れていく。触れ合った場所が私なのか彼なのか、わからないくらいに輪郭を失ったころ、ようやく彼とひとつになれた。
貫かれた痛みは一瞬で、そのあとは彼に与えられる感覚に翻弄される。
彼はずっと気遣うように私を見た。それがなんだか悔しくて、私は彼の頭を引き寄せて、自分から口付ける。彼は笑って、すぐにその何倍もの熱を込めて返してくれた。
私がなにも考えられなくなったころ、彼が坂を駆け上がっていくのがわかった。私は夢中でしがみついて、それを受け止める。最後の瞬間に、彼が私の耳元で囁いた。
愛してる、と。
◆
眠る彼女の輪郭が、毛布の下で規則正しく上下する。そっと髪に触れると、わずかに身じろいで寝返りをうった。
彼女を起こさないように細心の注意を払って、ベッドから這い出す。体に溜まっていた澱のようなものが、すっきりと消えていた。このところずっと浅い眠りしか取れていなかったけど、隣にあるぬくもりのおかげで、久しぶりに熟睡できた。
下着とズボンだけ履いて、静かにカーテンを開ける。ちょうど太陽が顔を出して、この部屋にも光が届き始めてきたところだった。冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出して喉に流し込むと、カラカラに乾いていた体に染み込んでいくのがわかった。
小さなダイニングテーブルにもたれて、ぼんやりと窓に視線を向ける。
住む場所にあまりこだわりがなかった俺がこの部屋に決めたのは、その窓が東京で住んでいたアパートの出窓に良く似ていたからだった。広さは倍くらいあるけれど、ダイニングテーブルの位置から見た光景は、あの部屋によく似ている。
引っ越してきた当時はよくこうやって、自分以外は誰もいないこの部屋に朝日が差し込んでいくのを見ていた。別に感傷に浸りたかったわけではないけれど、自分はひとりだ、ということをずっと自分に言い聞かせていた気がする。
今はそこに、日南子ちゃんがいる。
なだらかに稜線を描く先に、穏やかに眠る横顔があって、窓から差し込んだきた朝日に照らされている。少しだけ口を開いて、まつげの先を震わせている様子は、いつもよりさらにあどけなく見える。
彼女には、柔らかい光がよく似合う。一番初めに抱いた、ひだまりのようだという印象は、一年を経て彼女のことをよく知るようになってからより一層強まった。
彼女一人がいるだけで、こんなにも明るい光景に変わる。
少し光が強まって、ん、と眩しそうに顔を背ける仕草を見せた。まだカーテンを閉めておいたほうがいいんだろうけど、朝日に包まれる彼女があまりにきれいで、もっと見ていたいと思う。もう少しだけこのままで、と先延ばしにしているうちに、彼女のまぶたがゆっくりと持ち上がった。
まだはっきりと意識が覚醒していないらしく、寝ぼけているように何度も瞬きをする。ぼうっとした顔で体を起こして、こちらを向いたら目が合って、ようやく俺の存在を思い出したようだった。
「おはよ」
「おはようございます……」
まだどこかぼんやりとしていたけれど、俺の視線に気付くと勢いよく毛布を口元まで引っ張り上げた。一気に耳まで赤くなって、顔を毛布に埋める。
「起きてたんですか?」
「うん、ついさっき」
「ずっと見てました?」
目だけ動かしてこちらを窺う様子が初々しい。
うん、と頷くと、顔の赤みが増したような気がした。
「窓をね、見てた」
笑ってそう言うと、少し不思議そうに首を傾げて、彼女も窓の方に視線を送る。
「窓、ですか?」
「そう。ここから見た感じが、あの部屋に似てるんだ」
彼女の中にも強く残っているであろう、あの写真の部屋。思えば、あの写真が俺と彼女を結びつけてくれたのかもしれない。
彼女が何か言いたそうにじっと俺を見る。ベッドから降りようとして、自分が服を着てないことに戸惑い、視線を彷徨わせた。彼女の服は離れたところに置いてあって、少し迷うような素振りを見せてから、近くにあった俺のシャツに手を伸ばした。一番下まできっちりボタンを止めて、ベッドから出る。
俺の隣に立つと、無言で抱きついてきた。その様子がなんだかあまりにも真剣で、俺はペットボトルを置いて彼女の肩に手を回した。
「どうかした?」
頭を撫でると、抱きついてきた腕に力がこもった。
「私は、絶対いなくなったりしませんから」
強い意志を滲ませた声が、響く。
「ずっとそばにいます。桐原さんを一人になんてしません」
その言葉に、ふっと優衣の声が浮かんだ。
ーーずっと、そばにいてあげる。
これから先のことなんて、誰にも分からない。明日事故に遭うかもしれないし、気持ちがすれ違って離れてしまうこともあるかもしれない。
それでも、いつか彼女を失ってしまうことがあったとしても、もうこの部屋から光が消えることはないと思う。自分で痛みや絶望を乗り越えていく力を、彼女が教えてくれた。
「私が、幸せにしてみせますから」
力強く言う彼女の顔を、そっと上向かせる。彼女の目が、真っ直ぐに想いを伝えてきた。
……やっぱり、この目に捕らわれてしまったな。
どうか彼女のこの目が、もう悲しみで曇ることがないように。
言い表わすことのできない大きな感謝が伝わるように、思いを込めて、口付けた。
Epilogue
風が吹いて、落ちていた花びらがざあっと舞った。
一緒に舞い上がった砂埃から逃げるように顔を背け、目をすがめる。今日は風が強い。
ここに眠る人たちを見守るようにそびえ立つ、大きな桜の木を見上げる。墓地全体を抱え込むように枝を広げている様子は、どこかあのマリア像を連想させた。
「なんだか守ってくれてるみたいですね」
風に遊ばれる髪を押さえながら、隣に立つ日南子ちゃんが同じように桜の木を見上げていた。
あれから理恵が落ち着くのを待って、おじさんとの約束通り、理恵の家を訪れた。しばらくは実家で過ごすという理恵が、満面の笑みで迎えてくれる。その日はおじさんもおばさんも、揃って俺を待っていてくれた。
仏壇の横に置かれた優衣の写真は、驚いたことに俺が撮ったものだった。理恵が、これが一番きれいだから、とわがままを通してくれたらしい。まだ東京に行く前、優衣の合格祝いにと二人で出かけた時に撮った写真。まだ、ずっと一緒にいられると疑いもしていなかった頃。
手を合わせて、記憶の中の優衣を思い浮かべる。笑った顔、拗ねた顔、泣いた顔……もう、愛おしさしか感じなかった。罪悪感などなく、思い出せることに驚く。
一緒にご飯を、というおばさんの誘いを丁重に断ると、ならせめてお茶だけでも、と少し強引にリビングのソファに座らされた。この家の中に入ったのは初めてで、少し緊張しながら不躾にならない程度に周りを見渡す。優衣と理恵が大事に育てられた場所。
リビングの隅にベビーベッドが置かれていて、その横で理恵が子供をあやしていた。俺が訪ねてきた時はずっとすやすやと眠っていたのに、リビングに移動してきた途端、むずかりだしてしまったのだ。
理恵が抱き上げて揺らしていると、機嫌よく声を上げ始める。
「抱いてみる?」
頓着なく俺に赤ん坊を差し出してくるけど、そんな頼りないものを抱くなんて、壊してしまいそうで怖い。
「いい。遠慮しとく。落としそうで怖い」
「大丈夫よ、あの遼一さんだってやってるんだから」
そう言って理恵が赤ん坊を抱いたまま俺の隣に座る。ほら、と半ば無理やり押し付けられて、恐る恐る受け取った。理恵に言われるがままに手を添えて、腕の中に抱きかかえる。
赤ん坊がう~、と声を上げて、腕の中で手足を動かした。そっと指を近づけると、小さな作り物みたいな手が思いのほか強い力で握ってくる。
「優也、って名前にしたの。優衣から一文字もらったわ」
理恵が優しい目をして赤ん坊の……優也の顔を覗き込む。
「あの子みたいに誰からも愛されるように、って。これからちゃんと、守っていかなくちゃ」
そう言って俺から優也を抱きとる理恵の顔は、覚悟を決めた、強い母親の顔だった。理恵の中にもきっとあったであろう罪悪感を、この子を産むことによって乗り越えたんだろう。
それぞれの時間が、動き出す。自ら止めてしまっていた想いを、未来への希望に変えて。
それからお茶を入れたおばさんとおじさんもソファに移動してきて、しばらく優也を囲んで優衣の思い出話をした。誰もみんな穏やかな顔をしていて、悲しみや後悔といった後ろ向きな感情は、そこには存在しなかった。
帰り際、またいつでも遊びに来てね、と言ってくれたおばさんの目が死んだ母親の目を思い出させて、思わず涙ぐみそうになったのを、理恵に気づかれないように必死だった。
そして今日、日南子ちゃんを連れて、優衣が眠る墓にやってきた。
場所自体は、ずっと前に理恵から聞いて知っていた。それでも俺は一度も訪れていなかった。行こうと思ったことは何回もあったけど、その度に行けない理由を探して、ずっと先延ばしにしていた。今考えれば、優衣の死をきちんと納得していないのにここに近づくのが嫌だったんだと思う。
ようやくここに、花を手向ける決心が着いた。十年経って、やっと。
優衣の墓参りに行ってくる、と日南子ちゃんに話したとき、一緒に行きたい、と言いだしたのは彼女の方だった。私も優衣さんに挨拶がしたいです、と笑って言った。
初めて訪れたそこは、少し高台にあって、駐車場に車を止めるとすぐに長い階段があった。両脇に木々が生い茂って、濃い影を落としている。上に近づくたびに、だんだん空気が変わっていくような気がした。少し後ろからついてくる彼女が、木々の間から目を細めて眼下に広がる景色を見ている。車を降りてから、彼女はずっと口を開かなかった。俺を気遣ってあえて話さないでいてくれるのがわかる。
管理事務所に寄って、手桶と柄杓を借りる。水を汲んで理恵に教えられた通りに墓地を進んだ。墓地の周りには桜の木が植えられていて、中でも一際大きな木のすぐ下に、中屋家之墓、という文字が見えてきた。
一ヶ月前の命日におじさんたちが訪れたのだろう、墓はきれいに掃除されていた。水をかけて、ろうそくと線香に火を付ける。隣で日南子ちゃんが持っていた花を花立てに飾っていた。
二人で並んで、目を閉じて手を合わせる。そこに眠っているであろう優衣に、心のなかで話しかけた。
今まで会いに来れなくてごめん。ずっと心配かけてただろうけど、でももう、大丈夫だから。
……なあ、お前、俺といてちゃんと幸せだったか?
その問いに答えるかのように、またざあっと風が吹いた。俺たちを包み込むようにして、駆け抜けていく。
当たり前じゃない、と、優衣が笑う声が聞こえたような気がした。
目を開けて隣を見ると、先に参り終わった日南子ちゃんがこちらを見上げて、躊躇いがちに聞いてくる。
「なに、話したんですか?」
「心配かけてごめんな、って。日南子ちゃんは?」
聞き返すと、彼女は少し俯いて答えた。
「私も、ごめんなさい、って。前に、優衣さんに対してひどいこと考えちゃったから。あと」
一度言葉を切って、彼女がまた顔を上げた。
「私に任せてください、って。そしたら風が吹いて。よろしくね、って言ってくれてるみたいでした」
彼女は微笑むと、くるりと体の向きを変えて桜の木に近づく。
木の下に立って、そっと幹に手を触れる。見上げる彼女に答えるように、風に吹かれて枝が揺れた。その様子に、優衣の姿が重なって……。
ああ、お前、そこにいたのか。
また風が吹いて、花びらが舞う。今度は日南子ちゃんを包み込むように、花びらごと風が通り抜けた。驚いて少し口を開いた彼女が、手を伸ばして花びらを受け止めた。
彼女が振り向いて、俺に向かって笑った。
どんどんと周りの景色がぼやけていく。柔らかな色彩を残したまま、ピントがずれるように彼女の周囲が遠ざかって、彼女一人が鮮やかに、浮かび上がった。
その光景を目に焼き付ける。
ーーもう彼女しか、見えない。
微笑む彼女に手を伸ばす。
「行こうか」
はい、と俺の手を取った、そのぬくもりに指を絡めて、力を込めて握り締めた。
fin.
ノベマ!の読者さまは、初めまして。ベリカからの読者さまは、お久しぶりです。綾瀬です。
「アウトフォーカス」、いかがでしたでしょうか?20万文字越えと長い物語になってしまいましたが、最後までお付き合いいただいてありがとうございました。
ベリカで配信したファンメールにも書かせていただきましたが、このお話が生まれたのはかれこれ六年前。私が初めて最後まで書き上げることのできた、記念すべき作品です。あの時は完成できたことに高揚して、無謀にもある文学賞に応募し、当然の如く一次選考落選でした。懐かしいなぁ。
今読んだら文章が荒すぎですね。一文が短いのにナゼこんな回りくどく感じるんでしょう。(え?今でも変わんないじゃんって?)大好きな設定をこれでもかと盛り込んであって、私の作る物語のまさしく原点になっている気がします。私はワケあり男子がまっすぐ女子に絆されていく話が好きなんですな。
新型コロナの流行で家で過ごすことを余儀なくされている今、私にもみなさまに何か提供できないかと思いまして、眠らせていたこの作品を引っ張りだしてきた次第です。本当は大幅に改稿して発表しようと思っていたものなので、いずれ余裕ができたら、一度下げて書き直しするかもしれません。
実は桐原さんには、モデル、とまでは言いませんが、参考にさせてもらった方がいます。その方自身とても愉快な方なんですが、特にその方の撮る写真が大好きで、ヒナちゃんが桐原さんの写真に抱いた印象は、そのまま私がその方の写真に対して抱いた印象だったりします。キャラ自体は創作したのでわからないとは思いますが、もしも万が一、「あれ? この人知ってる?」と勘づいた方がいましたら、心の中にひっそり留めておいていただけると助かります。
稚拙な部分の多い作品ですが、読んだ方に一時でも楽しんでいただけたら幸いです。また違う物語でお目にかかれますよう。
綾瀬真雪