どうなってるんだ一体、という空気がみんなの中に漂う。
でも近づいて来るのをよくよく見ると、保志さんが嫌そうな愛香の手を無理やり引っ張ってるようにも見えて。
「ちょっと、どうなってんの、ソレ?」
二人の繋いだ手を指差して、容赦なく小川さんが問いただす。
「愛香ちゃん、嫌がってるんじゃ」
「ほっしー、無理矢理はよくない」
宇野さんやリサさんにも責めるような口調で言われるけど、保志さんは一向に気にしない。それどころか、いつもの爽やかな笑顔で言い放った。
「付き合うことになったから、僕たち」
………えええええ?
「本気で言ってる? ほっしーの妄想じゃなくて?」
「愛香ちゃん、無理しなくていいのよ?」
「失礼だよね、僕に対して」
みんな保志さんのボヤキなど完全ムシだ。
「愛香、付き合うことにしたの?」
改めて私が問いかけると、愛香はこれ以上ないくらい渋い顔で、頷いた。
「そう、みたい」
嬉しくもなんともなさそうな声で肯定する。……今、付き合うんだ、って言ったんだよね?
「ほっしーになんか弱みでも握られたんじゃ」
真剣に心配するリサさんたちをよそに、保志さんが愛香の顔を覗き込むと、愛香がふいっと顔を横に向けた。その様子がなんだか、嫌がっている感じとは微妙に違って見えて。
「愛香、もしかして照れてる?」
恐る恐る聞いてみると、愛香が勢いよく私を見た。
「ばっ、何言って……」
「あ、そっか、照れてたんだ。可愛い」
保志さんが臆面もなく言うのに、愛香が必死で抵抗した。
「だからそういうこと平気で言わないで!」
「だってほんとに可愛いし。さっきまで笑ってたのに、こっち戻ってきた途端に黙り込むからなんでかなと思ったけど、照れてただけか」
「照れてなんかいません!」
「いいじゃん、照れてても。可愛いんだし」
「っっ……!」
可愛い可愛いを連発する保志さんに、愛香が顔を赤くして黙り込む。その様子がいつもの大人っぽい愛香と全然違って、思わず声に出してしまった。
「愛香、可愛い」
「あんたまで変なこと言わないで!」
赤い顔で叫ぶ愛香に、他のみんなの顔もほころぶ。
「なんだ、お似合いじゃん」
「心配して損した」
「ほっしー、おめでとー」
口々におめでとう、と言われて、愛香は嬉しいような困ったような複雑な顔をしている。その表情が可愛くて、私はたまらず抱きついた。
「愛香、おめでとう!」
ぎゅうぎゅう力を込めると、愛香の中でも複雑ながら嬉しさが上回ったようだった。
「ありがと」
顔を見合わせて笑うと、保志さんが横から愛香の腕を引っ張る。
「仲いいのはいいけど、愛香ちゃん僕のだから、取らないでね?」
「だからそういう小っ恥ずかしいこと言わないで!」
言い合う保志さんと愛香を見て、またみんなが笑っていた。
でも近づいて来るのをよくよく見ると、保志さんが嫌そうな愛香の手を無理やり引っ張ってるようにも見えて。
「ちょっと、どうなってんの、ソレ?」
二人の繋いだ手を指差して、容赦なく小川さんが問いただす。
「愛香ちゃん、嫌がってるんじゃ」
「ほっしー、無理矢理はよくない」
宇野さんやリサさんにも責めるような口調で言われるけど、保志さんは一向に気にしない。それどころか、いつもの爽やかな笑顔で言い放った。
「付き合うことになったから、僕たち」
………えええええ?
「本気で言ってる? ほっしーの妄想じゃなくて?」
「愛香ちゃん、無理しなくていいのよ?」
「失礼だよね、僕に対して」
みんな保志さんのボヤキなど完全ムシだ。
「愛香、付き合うことにしたの?」
改めて私が問いかけると、愛香はこれ以上ないくらい渋い顔で、頷いた。
「そう、みたい」
嬉しくもなんともなさそうな声で肯定する。……今、付き合うんだ、って言ったんだよね?
「ほっしーになんか弱みでも握られたんじゃ」
真剣に心配するリサさんたちをよそに、保志さんが愛香の顔を覗き込むと、愛香がふいっと顔を横に向けた。その様子がなんだか、嫌がっている感じとは微妙に違って見えて。
「愛香、もしかして照れてる?」
恐る恐る聞いてみると、愛香が勢いよく私を見た。
「ばっ、何言って……」
「あ、そっか、照れてたんだ。可愛い」
保志さんが臆面もなく言うのに、愛香が必死で抵抗した。
「だからそういうこと平気で言わないで!」
「だってほんとに可愛いし。さっきまで笑ってたのに、こっち戻ってきた途端に黙り込むからなんでかなと思ったけど、照れてただけか」
「照れてなんかいません!」
「いいじゃん、照れてても。可愛いんだし」
「っっ……!」
可愛い可愛いを連発する保志さんに、愛香が顔を赤くして黙り込む。その様子がいつもの大人っぽい愛香と全然違って、思わず声に出してしまった。
「愛香、可愛い」
「あんたまで変なこと言わないで!」
赤い顔で叫ぶ愛香に、他のみんなの顔もほころぶ。
「なんだ、お似合いじゃん」
「心配して損した」
「ほっしー、おめでとー」
口々におめでとう、と言われて、愛香は嬉しいような困ったような複雑な顔をしている。その表情が可愛くて、私はたまらず抱きついた。
「愛香、おめでとう!」
ぎゅうぎゅう力を込めると、愛香の中でも複雑ながら嬉しさが上回ったようだった。
「ありがと」
顔を見合わせて笑うと、保志さんが横から愛香の腕を引っ張る。
「仲いいのはいいけど、愛香ちゃん僕のだから、取らないでね?」
「だからそういう小っ恥ずかしいこと言わないで!」
言い合う保志さんと愛香を見て、またみんなが笑っていた。