「保志さんもかっこいいですね。大人って感じ」
小川さんの様子を楽しそうに見ていた保志さんに声をかけると、余裕綽々の顔で笑う。
「ありがとう。ヒナちゃんも可愛い。……愛香ちゃんも。すごく綺麗だ」
「そりゃどうも。保志さんもすごくお似合いですよ、その色。腹黒な感じで」
愛香がツンツンした声で失礼な感想を述べる。
「ひどいなあ。腹黒、ってどっちかというとカルメンのほうだよ? 僕は哀れなドン・ホセの方」
「うるさい」
あまりの態度にびっくりして愛香を見ると、突っ込んでくるなというように無言で睨まれた。なんで愛香はこんなに保志さんを毛嫌いし始めたのか。後で聞いたら教えてくれるかな。
「よくわかったねえ、愛香ちゃん。ほっしーの腹黒イメージしたんだよ、その色」
リサさんまでひどいことを言っている。
「愛香ちゃんの色も、迷ったけどそれで正解だな。もう一個のほうだと明るすぎてイメージ違う」
「あー、でも並ぶともっと色味欲しいかなー」
あっという間にデザイナーの顔になって、西さんとあれこれ感想を言い合っい始めた。デザイナーって一人でデザインを作り上げるものかと思ってたけど、リサさんと西さんは信頼し合っているようで、きちんとお互いの意見を取り入れていた。
宇野さんと小川さんも話の輪に加わって、解放された潤平くんが私の隣にやって来る。
「ヒナ、可愛い。すげえ似合う。シンデレラって感じする」
真面目な顔の潤平くんに、少し照れる。
「潤平くんこそ。本当に王子様みたいだよ」
「現実はなり損ねたけどな」
もう私のことは諦めた、とでも言うような言葉に、思わずまじまじと顔を見つめると、潤平くんが苦笑した。
「もう困らせたりしてないだろ?」
私のほっぺたを軽くつねる。痛い、というと、笑いながら手を離した。
「困ってるより笑ってるほうがいいからな」
「ありがとう」
微笑み合う私たちに、話し合いを終えたリサさんがちゃちゃを入れてきた。
「はい、そこイチャつかなーい」
みんなの視線がいつの間にかこちらに向いている。
「イチャついてませんっ」
「そうやって並んでると、結婚式みたいだね」
保志さんのセリフにみんなが口々に同意する。
「確かに」
「二人とも白だから雰囲気出るわね」
「わーどうしよう、ガクさんに悪いことしちゃったなあ」
嫉妬しちゃうかもー、とリサさんが呑気に言った。
「桐原さんが見る機会なんてないでしょう?」
見たとしても嫉妬なんてしないだろうな、と思いながら言うと、あれ、とリサさんがとぼけた声を上げた。
「言ってなかったっけ? 当日来るよ、ガクさん。写真撮りに」
「えっっ?」
そんなの全く聞いてない。
「本職のカメラマンを入れるって話になったから、リサ、ガクさんがいいって先生たちにダダこねといたもん。今頃正式に依頼行ってるんじゃないかな」
ふっふー、と意味深に笑って、わざとらしく人差し指を立てて顎に当てる。
「どうせなら嫉妬させちゃおうよ。ガクさんのあのいつも変わんない笑顔、どんなになるか見てみたーい」
「悪趣味ね、梨沙」
一人楽しそうなリサさんを横目に、宇野さんや愛香が同情の視線を送ってくるのが見えた。
小川さんの様子を楽しそうに見ていた保志さんに声をかけると、余裕綽々の顔で笑う。
「ありがとう。ヒナちゃんも可愛い。……愛香ちゃんも。すごく綺麗だ」
「そりゃどうも。保志さんもすごくお似合いですよ、その色。腹黒な感じで」
愛香がツンツンした声で失礼な感想を述べる。
「ひどいなあ。腹黒、ってどっちかというとカルメンのほうだよ? 僕は哀れなドン・ホセの方」
「うるさい」
あまりの態度にびっくりして愛香を見ると、突っ込んでくるなというように無言で睨まれた。なんで愛香はこんなに保志さんを毛嫌いし始めたのか。後で聞いたら教えてくれるかな。
「よくわかったねえ、愛香ちゃん。ほっしーの腹黒イメージしたんだよ、その色」
リサさんまでひどいことを言っている。
「愛香ちゃんの色も、迷ったけどそれで正解だな。もう一個のほうだと明るすぎてイメージ違う」
「あー、でも並ぶともっと色味欲しいかなー」
あっという間にデザイナーの顔になって、西さんとあれこれ感想を言い合っい始めた。デザイナーって一人でデザインを作り上げるものかと思ってたけど、リサさんと西さんは信頼し合っているようで、きちんとお互いの意見を取り入れていた。
宇野さんと小川さんも話の輪に加わって、解放された潤平くんが私の隣にやって来る。
「ヒナ、可愛い。すげえ似合う。シンデレラって感じする」
真面目な顔の潤平くんに、少し照れる。
「潤平くんこそ。本当に王子様みたいだよ」
「現実はなり損ねたけどな」
もう私のことは諦めた、とでも言うような言葉に、思わずまじまじと顔を見つめると、潤平くんが苦笑した。
「もう困らせたりしてないだろ?」
私のほっぺたを軽くつねる。痛い、というと、笑いながら手を離した。
「困ってるより笑ってるほうがいいからな」
「ありがとう」
微笑み合う私たちに、話し合いを終えたリサさんがちゃちゃを入れてきた。
「はい、そこイチャつかなーい」
みんなの視線がいつの間にかこちらに向いている。
「イチャついてませんっ」
「そうやって並んでると、結婚式みたいだね」
保志さんのセリフにみんなが口々に同意する。
「確かに」
「二人とも白だから雰囲気出るわね」
「わーどうしよう、ガクさんに悪いことしちゃったなあ」
嫉妬しちゃうかもー、とリサさんが呑気に言った。
「桐原さんが見る機会なんてないでしょう?」
見たとしても嫉妬なんてしないだろうな、と思いながら言うと、あれ、とリサさんがとぼけた声を上げた。
「言ってなかったっけ? 当日来るよ、ガクさん。写真撮りに」
「えっっ?」
そんなの全く聞いてない。
「本職のカメラマンを入れるって話になったから、リサ、ガクさんがいいって先生たちにダダこねといたもん。今頃正式に依頼行ってるんじゃないかな」
ふっふー、と意味深に笑って、わざとらしく人差し指を立てて顎に当てる。
「どうせなら嫉妬させちゃおうよ。ガクさんのあのいつも変わんない笑顔、どんなになるか見てみたーい」
「悪趣味ね、梨沙」
一人楽しそうなリサさんを横目に、宇野さんや愛香が同情の視線を送ってくるのが見えた。