久しぶりにパトリの撮影が回ってきた。デートで使えそうな雰囲気の新店の特集で、カップル役のモデルが男女一人ずつ。リサちゃんと、例の松田君だった。
この組み合わせで仕事を組んだ編集者はいったい誰だ、と思ったら、どうやら瀬田さんのようだった。女性側が日南子ちゃんじゃなかっただけまだマシか。正直、とっとと終わらせたい。
仕事の都合で俺だけが現地に直行、モデル二人は担当編集とともにやってきて、落ち合うことになっている。リサちゃんとも、この前電話を叩き切られて以来、話はできていない。
まだ機嫌悪いんだろうな、やっぱり。
憂鬱な気持ちを仕事用の顔で押し隠して店内に入ると、何故か上機嫌のリサちゃんの声が飛び込んできた。
「ガクさーん、久しぶりー。こっちこっち」
「久しぶり……」
予想していたのと正反対の態度で迎えられて、面食らう。
「リサちゃん、酒飲んでる?」
「そんなわけないじゃないですか。いくらリサでもお仕事中は我慢します」
だったらなんでこんなに機嫌がいいのか。女の子はわからない。
同行していた編集スタッフと挨拶を交わし、準備を始める。事前に打ち合わせはしてあったので、今日はひたすら撮るだけだ。
「こんにちは。今日はよろしく」
隣の松田君にも笑顔を貼り付けて声をかけると、意外と素直に、よろしくお願いします、と返してくれた。以前のような挑戦的な雰囲気が今日はない。二人に対峙するために気合を入れてきたのに、なんだか拍子抜けだ。
撮影を始めてみて、改めて彼の度胸の良さに驚いた。もっと大人っぽく、とか、もっとはしゃいで、とか、普段はつけない注文をつけてみたら、戸惑うこともなく表情を合わせてきた。撮影に慣れているリサちゃんに、なんら引けを取っていない。
この組み合わせで仕事を組んだ編集者はいったい誰だ、と思ったら、どうやら瀬田さんのようだった。女性側が日南子ちゃんじゃなかっただけまだマシか。正直、とっとと終わらせたい。
仕事の都合で俺だけが現地に直行、モデル二人は担当編集とともにやってきて、落ち合うことになっている。リサちゃんとも、この前電話を叩き切られて以来、話はできていない。
まだ機嫌悪いんだろうな、やっぱり。
憂鬱な気持ちを仕事用の顔で押し隠して店内に入ると、何故か上機嫌のリサちゃんの声が飛び込んできた。
「ガクさーん、久しぶりー。こっちこっち」
「久しぶり……」
予想していたのと正反対の態度で迎えられて、面食らう。
「リサちゃん、酒飲んでる?」
「そんなわけないじゃないですか。いくらリサでもお仕事中は我慢します」
だったらなんでこんなに機嫌がいいのか。女の子はわからない。
同行していた編集スタッフと挨拶を交わし、準備を始める。事前に打ち合わせはしてあったので、今日はひたすら撮るだけだ。
「こんにちは。今日はよろしく」
隣の松田君にも笑顔を貼り付けて声をかけると、意外と素直に、よろしくお願いします、と返してくれた。以前のような挑戦的な雰囲気が今日はない。二人に対峙するために気合を入れてきたのに、なんだか拍子抜けだ。
撮影を始めてみて、改めて彼の度胸の良さに驚いた。もっと大人っぽく、とか、もっとはしゃいで、とか、普段はつけない注文をつけてみたら、戸惑うこともなく表情を合わせてきた。撮影に慣れているリサちゃんに、なんら引けを取っていない。