あーあ。


 終わったよ。僕の高校生活。
 ことによったら退学処分かもしれない。


 と、なればもう怖いもの無しだ。


 生徒会ってレッテルも剥がれるわけだし、最後にはっちゃけるか。


 僕は机の上に両足を投げ出して、悪態をついたんだ。


 その時のみんなの驚いた表情っていうのは、マジでトラウマものだよね。


 今さら謝っても、取り返しはつかない。だから思いきって振り切ることにしたんだ。



 幸い、この学校はお菓子類は禁止じゃなかったからね。



 購買で昨日、買っておいたココアシガレットを一本、口に加えてタバコの真似事をしたんだよ。


 そしたら、これがウケたわけ。
 クラスの皆に。あろうことか、教室が爆笑に包まれたんだ。



 僕は訳が分かんなかったんだけど、とりあえずそこから先の記憶は曖昧なんだ。



 後でこっぴどく叱られたのは覚えているんだけど、嬉しいことに退学処分とはならなかったね。



 次の日に、佐々木さんがやって来て

「昨日はありがとう」

 って声をかけてくれたんだ。ちょっと恥ずかしかったけど。


 まあ、こういった事情もあってさ、

 僕が学校生活に不満を抱えながらも「インキャ」として認定されない理由みたいな。


 さっきは僕は「友達は多いんだ」なんて言ったけど、実はそういうわけではなく、僕は単に、引かれていて、面白いヤツだ。


 って思われてチヤホヤされているだけなのかも知れないね。マジで。



 まあ、そういう事もあったわけ。