「おかえり! 穣!!」

僕の目の前に現れた可愛い笑顔の女の子。

「どうして……。
居るんだ?」

女の子の名前は、緑島木々葉(みどりしまここは)

僕の幼なじみで。

今、一番会いたくない人だ。

「合鍵?」

「そう。おじさんとおばさんが2ヶ月前に家に帰って来た時に、渡されたの。聞いてないの?」

「聞いてない」

毎日電話してくるのに、合鍵の事は何も言ってなかったぞ?

「渡されてから、今日まで使ってなかったんだけど……。
穣に会いたくて」

「今日、会っただろ?」

一緒に登校して、昼ご飯も一緒に食べて…。

「今日は一緒に帰ってないじゃん!」

「そうだけど……」

一緒に帰ろうとしてた時、好青年が近づいて来たから、嫌な予感がして、木々葉に先に帰るように言ったんだ。