「確かにしっかりとは、守れてないかも」

「ごめん…」

木々葉はやや下向きになっていた僕の顔を両手で掴んで上げると、

「でも、私の事をいつも必死で守ろうとしてくれてる」

僕と視線を合わせる。

「勉強が苦手な私を、平安学園に受からせたかったのは、私のためでしょ?」

平和で安全な学校なら、木々葉が殴るような事は起きないと思った……。

「あの男達に殴られる事を選んだのも、あの男達に殴られた事を黙っていたのも、あの男をかばったのも、私のため」

木々葉が殴らないようにする事だけを考えていた……。

「先輩に私を守るように言ったのも……私のため……」