「一生?」

告白しろとは言ってないぞ?

ただ、木々葉を危険から守って欲しいって…。

「約束……破るの?」


10年前…。

『僕が…木々葉…を守るから……』

僕は泣きながら言う。

『約束だよ!』

木々葉は可愛い笑顔で言う。

『うん!』

僕は大きく頷いた。


現在。

「もう破ってるよ……。木々葉の事……守れてない……。三日前もケガさせて…」

「ケガ?
私が両膝を擦りむいた事?」

「また俺のせいで血が……」

自分に向かって飛んできた野球ボールを僕がよけきれないから、木々葉が僕を助けるために……。

「少しだけだよ?」

「少しでもダメだよ!
キレイな足なのに、僕のせいで傷が…」

「…私の足って……キレイなの?」

「キレイだろ! 細くて、長くて、白くて」

「私の事…よく見てるんだね」

木々葉が笑う。

「10年も見てる。
だけど、10年も全然守れてない……」