守るためなら、殴られましょう! 田中穣

「カッコイイ……」

って思ってる場合じゃないだろ!!!

僕は呆気にとられている赤巻き髪の男と黄巻き髪の男の側を走って行く。

「ど…どうしますか?」

青巻き髪の男がオロオロしている間に木々葉が辿り着いた。

「穣のスマホ、返して下さい!」

木々葉が左手を青巻き髪の男に差し出す。

「えっ…と……」

青巻き髪の男が好青年の顔色を伺う。

「返してあげて下さい…」

「はい!」

好青年が言うのと同時に、青巻き髪の男が木々葉に僕のスマホを差し出す。

「どうも!」

木々葉が僕のスマホを受け取る。

よし……。

「そうだ!
もしかして穣の事、殴りました?」

なっ!!!

「それは……」

青巻き髪の男が好青年を横目で見る。

「殴られてな…」

殴った事を言わないで…。

「殴りましたよ。
俺以外の3人が」

言っ…た……。

終わっ…た……。

「あなたが指示したんですよね?」

まだ…終わってない!!!

僕は必死に走る。

「田中くんが…」

間に合ってくれ!!!

「殴って良いって…」