「薬、塗ってあげる!」

「いや! 良いよ!!
薬ぐらい自分で…」

「背中の部分を塗る時はどうするの?」

木々葉が僕の背中にまわると、ワイシャツをまくりあげて言う。

「それは……」

僕はワイシャツの裾を両手で掴むと、下に下げる。

「勘で!」

「薬はどこかなー?」

木々葉は僕の机の元に行くと、引き出しを開ける。

「そこにあるわけないだろ!!!」

「じゃあ、どこにあるの?」

「…秘密だ」

「ここかな?」

次はタンスの元に行くと、引き出しを開けようとする木々葉。

「そこにはないって!!!」

結局僕は木々葉に薬を渡して、薬を塗られる事になってしまった……。

バレて……ないよな?


「お金は?」

今、僕は逃走に失敗し、昨日と同じ空き地で、昨日と同じ3人の男達と好青年に囲まれている。