エピローグ
――数年後。
わたしは高校を卒業したあとは、絵本の制作を学べる大学へ進学し、なんとか在学中に一冊を世に出す事ができた。教授から最初の内は食べていくのが大変だからと非常勤教師を勧めてくれ、なんとか生活水準を保てている。秋人くんと言えば、高校生の時に投稿した脚本が佳作となり、一部の劇場で公開される事になった。今はとある小さな制作会社で脚本家として奮闘している。メッセージが届く度、わたしも頑張らないとって気分になる。
「浅倉先生、さよなら~」
挨拶する生徒に「はいさよなら」と手を振った。生徒達は本当にキラキラと輝いている。きっと将来に不安を感じている子もいるだろう。もしその子と縁が繋がって見つけられたら、わたしは伝えたい。
『大丈夫、あなたは独りじゃないよ』
綺麗ごとかもしれない。偽善かもしれない。それでもわたしは、トンネルの出口を見つけられるきっかけになってあげたい。皆がわたしにしてくれたように。
「あ~さく~ら先生!」
わたしの好きな声、わたしはフッと笑った。彼に駆け寄り、飛び込んだ。暖かく愛おしい。
「美菜、お前に伝えたい事があるんだ」
「なんですか?」
首を傾げると、彼は上着のポケットから小さな箱を取り出した。中を確認しなくても、なんなのかわかった。
「俺と一緒になってくれませんか」
頬を赤くして、真剣な眼差しを向けていた。わたしは目を逸らさず、彼のプロポーズに返事をしよう。もう答えは決まっている。
「もちろんです。幸せになりましょうね。秋人くん」
わたしの答えに抱きしめる力が強まった。
これから彼と幸せをもっともっと築いていこう。時にすれ違う事もあるだろう。壁にぶつかる事もあるだろう。だけど、きっと大丈夫。わたし達の繋がりは、そんな事で切れたりはしない。
――あの晴天の空に誓って。
――数年後。
わたしは高校を卒業したあとは、絵本の制作を学べる大学へ進学し、なんとか在学中に一冊を世に出す事ができた。教授から最初の内は食べていくのが大変だからと非常勤教師を勧めてくれ、なんとか生活水準を保てている。秋人くんと言えば、高校生の時に投稿した脚本が佳作となり、一部の劇場で公開される事になった。今はとある小さな制作会社で脚本家として奮闘している。メッセージが届く度、わたしも頑張らないとって気分になる。
「浅倉先生、さよなら~」
挨拶する生徒に「はいさよなら」と手を振った。生徒達は本当にキラキラと輝いている。きっと将来に不安を感じている子もいるだろう。もしその子と縁が繋がって見つけられたら、わたしは伝えたい。
『大丈夫、あなたは独りじゃないよ』
綺麗ごとかもしれない。偽善かもしれない。それでもわたしは、トンネルの出口を見つけられるきっかけになってあげたい。皆がわたしにしてくれたように。
「あ~さく~ら先生!」
わたしの好きな声、わたしはフッと笑った。彼に駆け寄り、飛び込んだ。暖かく愛おしい。
「美菜、お前に伝えたい事があるんだ」
「なんですか?」
首を傾げると、彼は上着のポケットから小さな箱を取り出した。中を確認しなくても、なんなのかわかった。
「俺と一緒になってくれませんか」
頬を赤くして、真剣な眼差しを向けていた。わたしは目を逸らさず、彼のプロポーズに返事をしよう。もう答えは決まっている。
「もちろんです。幸せになりましょうね。秋人くん」
わたしの答えに抱きしめる力が強まった。
これから彼と幸せをもっともっと築いていこう。時にすれ違う事もあるだろう。壁にぶつかる事もあるだろう。だけど、きっと大丈夫。わたし達の繋がりは、そんな事で切れたりはしない。
――あの晴天の空に誓って。