あれから一週間が過ぎた──

特に、私の周りに変化はない。
笹山とたまにゲームの話しをして、八島とは昨日、宿題を写させたお礼にアイスを奢ってもらった。

柊先輩には、相変わらず付きまとわれていたりするが……無視をしている限り害は無い。

変わったといえば、変わったかもしれないが……
別にコレといって恋愛の方に進んでいるとも思えないから、もしかしたらこのまま友情エンドかもしれない。

そんな事を思いながらもうすぐ朝礼の始まる朝の教室で、私はまだ眠気と戦って二度目のあくびを噛み殺した。

うららかな春の陽射しが心地よい。

そんなのんびりとした空気を、ドタドタという足音が見事にぶっ壊してくれた。

「さくらっ!!」

大声で私の名前を呼ぶと、その人物はカバンを放り投げる様に置いて私の目の前にやって来た。

「雪……おは……」

「ねぇっ、ちょっと聞いて!!」

雪は血相を変え私の挨拶を遮り随分と慌てた様子だ。
また彼氏と何かあったのだろうか?

「あのね……変に思わないで聞いてね……」

「……何?」



「私、男子の周りに変な数字とかが見える」



そういえば……雪も同じメーカーのコンタクトを使っていたんだっけ……。

私は彼女にどう説明するべきか悩んだ末、乙女ゲームのアプリを開いた。