放課後、部活に顔を出しマネージャーの仕事をする愛瑠萌。

「さあみんな、大会までもう少しなんだからね。人のことは気にせずに、自分に集中するっ」
パンパンと手を打って声を上げる。
本当は自分が一番辛いはずなのに、チームのために必死だ。

こうなった以上、愛瑠萌の分も頑張ろう。
俺も男子部員達が練習をしている輪に入って行った。

みんな大会前の仕上げにかかり、演技構成を通している。
俺も構成は出来ているのだが・・・
相変わらず、パッとしない。
決して運動神経が悪いわけではない。
足だって速い。
でも、成績が伸びない。
理由は分かっている。

「リュウ、いつまでビビっているんだ」
監督の檄が飛ぶ。

実際、技の難易度では2年にも、1年にも抜かれている。
なぜ出来ないのか・・・それは心が弱いから。
シャー芯の様にすぐ折れる、俺の心。
自分では頑張っているのに、気持ちがついて行かない。
本当に情けない。