放課後。
委員会で遅くなった俺は、遅れて部活に向かった。

ヤバイ。
急がないと・・・
こんな事で先生の機嫌が悪くなったんじゃたまらない。

ん?
体育館に走り込もうとした俺の足が止った。

体育館をのぞき込むように集まる人集り。
その人垣は少しずつ大きくなっていく。

おかしい、きっと何かあった。

「しっかりしろ。動くなっ」
「先輩、大丈夫ですか?」
体育館に近づくにつれて、ザワザワした声が中から聞こえてきた。

う、嘘だろ。
俺は体育館の中央で倒れ込んだ人物を見て、絶句した。

「メ、メルモ・・・」
そこに、愛瑠萌がいた。

足がすくみ、入り口で立ち尽くす俺。

「ちょっとどけ」
その横を、次々と先生達が入っていく。

10分ほどで、救急車のサイレンが聞こえ、
「どいてください」
野次馬をかき分けながら、タンカが運び込まれた。

俺は息をするのを忘れそうだった。

応急処置を受け、タンカに乗せ運び出される愛瑠萌。
その表情は苦しそうだった。