あんまり心配で、家まで送って行った。
そして、そこは俺のよく知る家だった。

「あれ、お寺の坊ちゃん」
玄関まできた瞬間、声をかけられた。

そう、ここはうちの寺の檀家さん家。
盆や正月には何度も親父とお邪魔している。
当然、顔も名前も知られている。

結局、そのまま家に上げられた。


それからは休みがちな真奈にプリントを届けたり、ノートを見せてやったり。
ひ弱な真奈を放っておけなかった。
いつも愛瑠萌に引っ張られてきた俺が、初めて守ってやりたいと思った。


「リュウ君」
真奈が目をを覚ました。

「大丈夫か?」
「うん。ごめんね、大会前なのに」
「馬鹿、そんなこと気にするな。いいから寝てろ」

元々真奈は喘息持ちで、小中時代も休みがちだったらしい。
高校生になってだいぶ丈夫になったんだそうだ。
俺にはとてもそうは思えない。
それにしても、ただ学校に行くことがそんなに負担になるなんて・・・
真奈はしばらく入院になりそうだ。

その日は消灯まで付き合って帰宅した。