実は、俺と真奈は自称カップル。
デートもほとんどしたことがなく、携帯のやりとりがほとんどだけど、付き合っていると俺たちは思っている。
「リュウ君、ありがとう」
おばさんが俺の手を取り涙ぐんだ。
「俺は何も・・・」
かえって真奈を苦しめていると思えるときさえあるのに。
俺と真奈の出会いは2年前。
高1の春にさかのぼる。
新学期が始まってそうそう、校門の前で咳き込む真奈に声をかけたのがきっかけだった。
「大丈夫?」
「・・・うん。ゴホッ、ゴホゴホッ」
とても大丈夫には見えない。
「保健室行こうか?」
「いいの。もう帰るところだし」
確かに、今は下校時間。
次々と、生徒達が校舎からで来ている。
でもなあ、こんな調子で帰れるのか?
「家、どこ?」
「駅の向こう、中町3丁目」
へー、方向は一緒じゃないか。
「送っていくよ」
「でも、」
「いいから、行くよ」
半ば強引に荷物を持ち、俺は彼女の手を引いた。
この時の俺は、ただ心配だった。
具合が悪くて動けない子を、置いていくことが出来ない。それだけの気持ちしかなかった。
デートもほとんどしたことがなく、携帯のやりとりがほとんどだけど、付き合っていると俺たちは思っている。
「リュウ君、ありがとう」
おばさんが俺の手を取り涙ぐんだ。
「俺は何も・・・」
かえって真奈を苦しめていると思えるときさえあるのに。
俺と真奈の出会いは2年前。
高1の春にさかのぼる。
新学期が始まってそうそう、校門の前で咳き込む真奈に声をかけたのがきっかけだった。
「大丈夫?」
「・・・うん。ゴホッ、ゴホゴホッ」
とても大丈夫には見えない。
「保健室行こうか?」
「いいの。もう帰るところだし」
確かに、今は下校時間。
次々と、生徒達が校舎からで来ている。
でもなあ、こんな調子で帰れるのか?
「家、どこ?」
「駅の向こう、中町3丁目」
へー、方向は一緒じゃないか。
「送っていくよ」
「でも、」
「いいから、行くよ」
半ば強引に荷物を持ち、俺は彼女の手を引いた。
この時の俺は、ただ心配だった。
具合が悪くて動けない子を、置いていくことが出来ない。それだけの気持ちしかなかった。