トントン。
「真奈っ」
駆け込んだ病室。

ベットの上で点滴をして、酸素を吸う少女。
行長真奈(ユキナガ マナ)高校3年。
白くて小さな体は横たわったまま動かない。

「具合はどうですか?」
ベット横に座るマナのお母さんに尋ねた。

「うん。また喘息の発作が出てね。でも、今は落ち着いて寝てるわ」
「そうですか」

「最近無理してたから」
ええ?

不思議そうな顔で見ると、

「リュウ君に会いたいからって、頑張っていたのよ。少しくらい体調が悪くても絶対に休まないし、苦手な薬も毎日飲んで、食事も無理捨して食べていたわ」

そう言われて、少し赤くなった。

「リュウ君のお陰でだいぶ丈夫になったと思っていたのにね。少し無理が過ぎたみたい」
「はあぁ」

真奈、随分頑張っていたんだな。