次の日、学校に行くと涼馬君はいなかった。いつもは私より早く来ているはずなのに。

 その次の日も、その次の日の次の日も涼馬君は学校に来なかった。

 私は思ってしまった。私が悪いんじゃないか!っと思うしかなかった。

 ある日の休み時間、私は声を掛けられた。その方向を見ると。

「あなたは...彰さん?」

 彰ーー橘 彰(たちば あきら)彼は涼馬君の唯一と言っていいほどの男友達だったはずだ。

 そんな彼が何故今、私に話しかけたのかなんて分からない。

「えっと、優奈ちゃんだよな?」

 私はこくりっと首を縦に振った。

「いや、なんつーーか、優奈ちゃんって変わったよな」

「えっ?」

 変わった?私が?

 人生で初めて言われた言葉だ。

「どこが?」

「んーー、雰囲気なのかな?」

「雰囲気?」

 私は意味が分からなかった。どこが変わったと言うのだろうか...。

 私は呆れて彰君とはこれ以上話さなかった。

「まったく、あいつはすげーや」

 後ろからそんな言葉が聞こえたが、聞こえないフリをして、教室に入った。

 その日の授業はまったくと言っていいほど、頭に入って来なかったので、3限目で早退させてもらった。

 私の家と学校は余り離れていなく、10分ぐらいで着けるぐらい近いのだ。

 私は自分のポストを見た。

「ん?」

 中に入ったのは封筒が1つだけだった。
母のだろうと思ったが、『広瀬 優奈』と書いてあった。

 私はその封筒を持って家に入ってソファにもたれながら、読むことにした。

 誰からだろうと思って、裏を見てみるとそこには。

「なん...で...」

そこに書いてあった名前は。

「なんで...今、このタイミングで...涼馬君...」

 今だに学校にも来ない。涼馬君の行き着きのお店や場所も全て探したのに。

 ーー君は今、何思っているの?私は寂しいよ、君がいなくて、悲しすぎるよ...いるんだったら早く帰ってきてよ...。