買い物当日、まずは栞が家で着替え、淳基の家へ向かう
「ここが俺の家、どうぞ、すぐ着替えてくるからリビングで待ってて」
淳基が部屋から出て来た
「坂本くんとこって街の中心部だったんだね、オシャレなマンション」
「昔は一軒家だったんだけど親が離婚して家を売ったんだよ、俺は今は親父と暮らしてる
一軒家は二人には広すぎるし、親父も出張が多いからあんまり帰ってこないし……」
「あたし、坂本くんの事、何も知らないね、いつもあたしばっかりしゃべってるんだね」
「ん?そんなつもりはないけど……隠してる訳でもないし」
「じゃあ少し自分の事を話して」
「んー、あらたまって聞かれるとなー」
淳基は考える
「全然おもしろくないよ、えーと……妹がいる
妹は母さんと祖父母と県外に住んでるんだ
母さんが仕事が忙しくなって父さんとはすれ違いになっていって
妹は小さかったから、ばあちゃんが来ることが多くなって……やっぱり不便だから母さんが実家に帰っていったんだ
俺は街の方が大学に行くことを考えて父さんとここで暮らす選択をしたって訳
両親はすれ違いだけど仲が悪いまでではないよ、年末は、ばあちゃんの家に集まるし、テレビ電話もしてる、それくらいかな」