翌朝、俺は学校の廊下で、アズラーイールと鉢合わせた。

「なんだ、てっきり起き上がれないほど苦しんでいるかと思ったのに、アレを食っても平気だったんだな。もうここには、来られないだろうと思ってたのに」

そう言ってニヤリと笑うと、アズラーイールは俺を見下ろした。

「俺の施しは、全て人間界の食材を使った食べ物だったはずだ。確かに俺も調理には手をかけたが、お前に大したダメージはなかっただろう」

「仕方ないだろ、俺は悪魔だ。相手よりも、より卑怯な手を使うことばかりを考える。そうだろ?」

アズラーイールは、じっと俺を見下ろしている。

静かに口を開いた。

「よろしい。受けて立とう。ここからが本番だ」

奴は先に教室に入る。

そこに、その教室のサイズに合わせた結界を張った。

「おい! 卑怯者!」

先に座っていた涼介が、顔を上げた。

だけど俺は、この中には入れない。

「お前にそんなことを言われる筋合いはない。時間だぞ、早く入れ」

くそっ。

そうでなくても、中級天使の横にいるだけで、それなりのダメージを受けている。

それが意図して張った結界となれば、俺の魔力といえども、そう簡単には抗えない。

スヱが寄りつかないわけだ。

こんなところにいたら、あいつらレベルなど、一瞬で吹き飛ぶ。