「はぁっ?
そんなことは訊いていない。
昨日お前が仕事と称してやったことは、ただの散歩だよなぁ?」

ギリッ、と強く奥歯を噛みしめたせいか、軽く頭痛がする。
なにか口を開けばそれと共に涙が落ちそうで、きつく唇を結んで耐えた。

「散歩だよなぁって訊いてるんだ!」

バシッ、と再び、彼がファイルで机を叩く。

「……違います」

「どこがどう違うんだ、ええっ!?」

「何度も繰り返しますが、我が社を広く知っていただくための宣伝活動です。
現に昨日の会に参加する前に比べ、フォロワーの数は……」

「そんなことはどうでもいいんだよっ!
それともなにか、その増えたフォロワーサマが全員、うちの商品をお買い上げでもしてくれたのか?」

小馬鹿にしたようにはっ、と大石課長が笑い、一部から同時に失笑が起きた。
そんな認識ならばTwitterの運用などやめてしまえばいい。
どうせ、無料でできるし、他の企業もやっているからうちもやらないと、くらいの気持ちなんだろうから。