「わかりました。
自分で調べます」

落胆か、嘲笑して終わるのかと思ったら、彼女は俺の想像の斜め上をいった。

調べる?
自分で?

この実のない講義を自分の糧にするというのか。

一気に彼女へ興味が湧いた。
講演が終わり、追いかける。
けれど彼女はひとつ前のエレベーターに乗ってしまい、俺が下りたときにはすでに姿はなかった。

同じ中の人であるのは見当がつくが、どこの企業かまではわからない。
TLをチェックして女性がやっていそうなところにいくつか目星をつけたが、決め手は全くなかった。
中の人仲間に訊いてみても、わからない。
もっとも、実際に顔をあわせてまで交流のある企業はさほどないが。



もう二度と会えないのかと悶々と過ごした年明け、合コンに誘われた。