――なーんて言えたらすっきりするけれど、私には言う勇気がない。

ミツミ監修の朝食バイキングを堪能し、部屋に戻ってきた私に渡されたのは、……モニターアンケートの用紙でした。

「えっと……」

「今度、健康促進ツアーをやろうかと計画しているんだ。
ちょうどいいから伊深にはモニターになってもらった」

紙を持つ手がブルブルと震える。
それならそうと、最初に言ってくれればいいのに!!

「ああモニター、そうモニターですか」

ボールペンを受け取りながらがっかりしている私は、いったいなにを期待していたんだろう。
でも納得。
突然の宿泊とか、妙に写真を撮っていたのとか。

「ですよね!
じゃないとご褒美エステとかあるわけないですもんね!」

アンケートは昨日のアスレチックのことから尋ねる内容になっていた。
あそこからすでに、モニターがはじまっていたのだ。

「滝島さんはほんと、お仕事熱心です、ね……」