じりじりと頬を刺す熱い日差しで目が覚めた。カーテンの隙間から、真っ青な夏空が覗く。時計の針はすでに午前10時を指していた。
下着すら纏っていない剥き出しの肌と気怠い身体が、昨夜の出来事は夢ではないのだということを私に思い知らせる。
 でも、私の隣に上村はもういない。
「いるわけないか……」
 上村は、私が眠っている間に部屋を出たようだった。
つまりは、そういうことだ。私は彼に同情された。
その証拠に、上村は私に何も残さなかった。その場限りの甘い言葉も、言い訳も、何一つない。
 わかっていたことなのに、現実がチクリと胸を刺す。どこかで期待していた自分に、苦い笑みが零れた。
それにもう、涙は全部出尽くしたみたいだ。
 ベッドの下に落ちていたTシャツを素肌の上に身に着けると、私は勢い良く寝室のカーテンを開けた。真夏の強い日差しが肌を焼く。
 シャワーを浴びて、全てを洗い流そう。そして私は生まれ変わる。
誰にも頼らず生きていくために。