数日経ったある日の放課後、図書室にいた俺は新田に呼ばれた。
「…聞いたよ。梨花とのこと。遠藤くん、本当に梨花の事分かってる?」
本棚に挟まれた狭い空間で新田は責めるような口調で話してきた。
俺は何も言えずに、うつむいたまま黙った。
それを見越したかのように新田は話し続けた。
「梨花はこのまま言わなさそうだから、しょうがないけど代わりに言うね。梨花、来週転校するの」
「転校…?」
転校するからって、別に別れる必要はない、そう言おうとしたとき、「梨花、女優になるの」
「え…?」
そう言って新田はスマホの画面を見せてきた。
そこには誰もが知ってる有名な映画監督の名前と、その映画監督がメガホンをとる映画の女優を募集する内容のものだった。
そのオーディションの日時はもうとっくに過ぎていた。
ということは…
「受かったの、梨花」
予想通りだった。
「それで、来週から東京に行って…。梨花が入る事務所ね、20歳になるまで、いわゆる恋愛禁止らしいの」
恋愛禁止…
こだまするように何度も何度も俺の中でその言葉が回っていった。
「梨花、本当にギリギリまで悩んでた。あの子不器用だからきっと、遠藤くんと別れるって言ったのも…」
なんとなく、分かった。
分かってしまった。
梨花がずっと俺を想っていた事も。
もう、梨花と、恋出来ないことも。
「…聞いたよ。梨花とのこと。遠藤くん、本当に梨花の事分かってる?」
本棚に挟まれた狭い空間で新田は責めるような口調で話してきた。
俺は何も言えずに、うつむいたまま黙った。
それを見越したかのように新田は話し続けた。
「梨花はこのまま言わなさそうだから、しょうがないけど代わりに言うね。梨花、来週転校するの」
「転校…?」
転校するからって、別に別れる必要はない、そう言おうとしたとき、「梨花、女優になるの」
「え…?」
そう言って新田はスマホの画面を見せてきた。
そこには誰もが知ってる有名な映画監督の名前と、その映画監督がメガホンをとる映画の女優を募集する内容のものだった。
そのオーディションの日時はもうとっくに過ぎていた。
ということは…
「受かったの、梨花」
予想通りだった。
「それで、来週から東京に行って…。梨花が入る事務所ね、20歳になるまで、いわゆる恋愛禁止らしいの」
恋愛禁止…
こだまするように何度も何度も俺の中でその言葉が回っていった。
「梨花、本当にギリギリまで悩んでた。あの子不器用だからきっと、遠藤くんと別れるって言ったのも…」
なんとなく、分かった。
分かってしまった。
梨花がずっと俺を想っていた事も。
もう、梨花と、恋出来ないことも。