そんな日々もあっという間に過ぎ去り、最後の1日、クラス皆でお別れ会をする日が訪れた。

「梨花、頑張ってね、ずっと応援してるね」
「ありがとう!」
梨花の手には田村達と協力して作ったアルバムが握られてる。
新田からのアイコンタクトを受け、ざわめく教室の中、俺は教壇に立った。
その瞬間、教室がシンとする。
梨花は自然と俺の前に立った。
コホンと咳払いをして制服からポケットから一枚の紙を取り出す。
「梨花へ
梨花はいつも皆を笑顔にしてくれた。そして、優しくて。寂しがりやの癖に優しさで押し通そうとする位」
梨花との沢山の思い出が溢れてくる。
周りの皆も同じなのか、涙ぐんでいる。
「梨花と出会えて、恋ができて、本当に良かった。ずっと、梨花のこと応援してる。…ありがとう」
最後はもう、言葉を口にするので精一杯だった。
「ありがとう、皆。亮一くん」
そう言うと同時に梨花は大粒の涙を沢山流した。

そして、彼女は旅立っていった。