新田の言葉通り、公園のブランコに乗って揺られている梨花がいた。
「梨花!」
そう、いつものように声を掛けると彼女は驚いていた。
「亮一くん…」
俺は雪を払い、梨花の隣のブランコに腰掛けた。
「田村と新田から聞いたよ」
そう言うと彼女はまた、驚いて「そっか」と言った。
「思い出とか、亮一くんの想いを消したい訳じゃなかったんだよ。ただ、悲しい想いがしたくないわがままだったのかも」
梨花は笑ってそう言った。
「ごめん、俺、全然梨花の事、分かってなかった。色々言って。本当は梨花は女優になるのが夢だったんだね。なのに、応援の一言も言えてなくて…」
梨花は介護士の事を話すとき、ちょっとだけ暗い顔をしていたのを今思い返せば分かる。
「私も同じだよ。亮一くんのこと、嫌いって言っちゃったし。女優なんてなれるわけないと思ってたから、彩ちゃん以外誰も言ってなかったの。穂波にも、後から伝えたし…」
それから梨花はブランコに反動をつけ始めた。
「恋愛禁止って聞いて、どうしようかって考えて、結果的に亮一くんを裏切ることになっちゃったよね。嫌いになろうとしたら、亮一くん、過去がどう変わっても梨花の事を好きでいる自信があるって言うから益々嫌いになれなくなった。この先の未来に、亮一くんはいれないのに」
俺も梨花と同じように反動をつけ始めた。
「…俺、転校するって聞いて、行かないで欲しいって。初めに新田から聞いた時、そう思ってすぐに梨花の元に行こうとしなかった。…だけど、梨花は強く決意したんだね。おめでとう、応援するよ」
「亮一くん…」
「俺、梨花に出会えてよかったよ。出会わなきゃ良かったなんて思わない。こんなに寂しくてもさ、それ以上に梨花との時間が楽しいんだ。大好きなんだ」
最後は一つ一つ確かめるように、涙で鼻声になりながらそう言った。
「…変わんなくて良かった。亮一くんとの今が変わらなくて本当に良かった。空気みたいに悲しみを与えないようにサヨナラしようと思ったけど、やっぱり、亮一くんが大好きだよ」
梨花は笑って、それから目に涙を浮かべながらそう言った。
そして、梨花はブランコから降りて俺の目の前に立った。
「あと3日しかないけど、もう一度、付き合って下さい」
「俺が言おうと思ってたのに…。はい、よろしくお願いします」
俺もブランコから降りてそう言った。
そういえば、去年のクリスマス、告白したのも梨花の方だった。
「梨花!」
そう、いつものように声を掛けると彼女は驚いていた。
「亮一くん…」
俺は雪を払い、梨花の隣のブランコに腰掛けた。
「田村と新田から聞いたよ」
そう言うと彼女はまた、驚いて「そっか」と言った。
「思い出とか、亮一くんの想いを消したい訳じゃなかったんだよ。ただ、悲しい想いがしたくないわがままだったのかも」
梨花は笑ってそう言った。
「ごめん、俺、全然梨花の事、分かってなかった。色々言って。本当は梨花は女優になるのが夢だったんだね。なのに、応援の一言も言えてなくて…」
梨花は介護士の事を話すとき、ちょっとだけ暗い顔をしていたのを今思い返せば分かる。
「私も同じだよ。亮一くんのこと、嫌いって言っちゃったし。女優なんてなれるわけないと思ってたから、彩ちゃん以外誰も言ってなかったの。穂波にも、後から伝えたし…」
それから梨花はブランコに反動をつけ始めた。
「恋愛禁止って聞いて、どうしようかって考えて、結果的に亮一くんを裏切ることになっちゃったよね。嫌いになろうとしたら、亮一くん、過去がどう変わっても梨花の事を好きでいる自信があるって言うから益々嫌いになれなくなった。この先の未来に、亮一くんはいれないのに」
俺も梨花と同じように反動をつけ始めた。
「…俺、転校するって聞いて、行かないで欲しいって。初めに新田から聞いた時、そう思ってすぐに梨花の元に行こうとしなかった。…だけど、梨花は強く決意したんだね。おめでとう、応援するよ」
「亮一くん…」
「俺、梨花に出会えてよかったよ。出会わなきゃ良かったなんて思わない。こんなに寂しくてもさ、それ以上に梨花との時間が楽しいんだ。大好きなんだ」
最後は一つ一つ確かめるように、涙で鼻声になりながらそう言った。
「…変わんなくて良かった。亮一くんとの今が変わらなくて本当に良かった。空気みたいに悲しみを与えないようにサヨナラしようと思ったけど、やっぱり、亮一くんが大好きだよ」
梨花は笑って、それから目に涙を浮かべながらそう言った。
そして、梨花はブランコから降りて俺の目の前に立った。
「あと3日しかないけど、もう一度、付き合って下さい」
「俺が言おうと思ってたのに…。はい、よろしくお願いします」
俺もブランコから降りてそう言った。
そういえば、去年のクリスマス、告白したのも梨花の方だった。