「お、お祖母ちゃん!た、大変!お祖父ちゃんが家出したみたいよ!!」

「ん?なに?そのみたいっていう曖昧な報告は?」

「落ち着き払ってる場合じゃないってばお祖母ちゃん!!」

祖父母の家に遊びに来ていた14歳の孫娘、明日香はすでに泣き顔だった。

「昨夜私が寝てからお祖父ちゃんとお祖母ちゃんがなんか喧嘩してるなぁ、とは思ってたけど、きっとあれが原因だよ!お祖母ちゃん!早く捜しに行こうよ!!」

「何で?どこを?」

祖母はキッチンで朝のお茶を入れると、必死な孫娘そっちのけでテーブルで一息入れていた。