僕たちは、街を流れる川のほとりに立つカフェへ入った。コーヒーの香りが漂う店内は洒落た雰囲気で、そういうのに慣れていない僕は浮いてしまっていないか不安になった。

「この席いいね!座ろ」

彼女は窓際のカウンター席を見つけてはしゃいだ声を出した。腰掛けると目の前にはリバービューが広がる。
水面が夕日を受けてキラキラと、幻想的に輝いている。

「綺麗だねえ」
「そうだな」

隣の彼女の瞳にも、水面の輝きが反射している。見惚れて、横顔をじっと見つめてしまう。
すると「ん?」というように首を傾げてきて、ハッとする。そんなのを繰り返した。

「そうだ。この後どうしようか? 」

くすぐったくなって、僕は切り出した。

「うう~ん」

彼女はうっすら眉間を窪ませる。そのまま景色に目を向けて数秒。
パッとこちらに顔を向けた。

「じゃあ、服が見たい!」

彼女の答えに、何とも女の子らしいなって感じた。