『友達を見捨てた最低な人間の美柳空』と言う名前はクラスメイトに広がり、私の評価はただ下がり。

いつの間にか、私を見る目は冷たい視線ばかりだ。
まるで『なんでコイツのうのうと生きているの?』とでも言うような、クラスメイトの私を見る表情。

同時に北條さんと小坂さんから酷い攻撃を受けるようになった。
友達を見捨てた罰として、北條さんや小坂さんにいじめを受けるようになった。

他のクラスメイトも彼女らに便乗して、私の存在を馬鹿にする。
クラスメイトの一部はいじめに加算する・・・・。

私が教室に入ると、席がないのは当たり前。

私のノートや教科書などはよくゴミ箱に入っているし、トイレの個室の中にいたら、上から水を掛けられるなんてことはよくある話。

黒板にも私の悪口はよく書かれている。

『死ね』とか、私の存在を否定するクラスメイトのメッセージ。
『罵声』や『暴力』と言った攻撃を受けるだけの日々がこれからも続くだろう。

嫌な思いをするだろう。
だけど、仕方ないよね。
私、二人にとんでもないことをしてしまったんだもん。

『取り返しのつかない事』をしてしまったんだもん。

北條さんと小坂さんに友達と呼ばれる私は、二人を助けるどころか何もせずに逃げてしまった。

おまけに『自分には関係無い』と言い聞かせ、『友達が暴行されていた』と言う記憶すら消そうとしてした。

あの時、北條さんと小坂さんは凄く精神的なダメージや肉体的ダメージを受けたのかもしれないし。
スゴい深い傷を負ったのかもかもしれないし。

私に『助けて!』って叫んだかもしれないし。

そんな時に友達が助けてくれなかったら、誰だって怒るよね。
怒って当たり前だよね。

そして、友達を見捨てる奴は二人から罰を受けて当たり前だよね。

クラスメイトからいじめられても仕方ないよね・・・・。
私はいつの間にか、元の一人で過ごしていた時のような生活に戻っていた。
北條さんと小坂さんは私の元から離れ、二人は遠くで私の『悪口』を言っているから、私はまたひとりぼっち・・・・。

いじめと言う『罰」を受けながら、いつも一人で過ごす日々。

そこに光はない。

あるわけない・・・・・。

でも少しだけ、『明日も頑張ろう』と思わせてくれる時間がある。
今の苦しい気持ちを忘れさせてくれる瞬間がある。

それは私が大好きな『弟』と一緒にいる時間だ。

私が一日で唯一『笑顔』になれる時間・・・・。