ただ、不思議と徹底的に嫌われることがない。
結局は、人当たりの良い瀬野の人柄だろう、と宏樹は思っている。
「――恋愛絡みですよ」
半ば自棄になりながら、宏樹は吐き捨てるように言った。
瀬野は、待ってました、とばかりに気持ち悪いほど目を爛々と輝かせている。
「なるほどなあ。もしやとは思ったが、やっぱ恋の悩みだったかあ。うん、いいねえ!」
何がいいもんか、と言い返しそうになったが、すんでのところで宏樹はその言葉を飲み込んだ。
「で、その彼女とはどうなったんだ? ん?」
「――別れてますよ」
身を乗り出す勢いで訊ねる瀬野に対し、宏樹は憮然として答えた。
そのとたん、瀬野は今までとは打って変わり、そのまま固まってしまい、視線をあらぬ方向へさ迷わせている。
拙いことをを訊いてしまった、と思ったのか、それとも、宏樹への励ましの言葉を考えているのか、さすがの宏樹もそこまで覗うことがが出来なかった。
そのうちに、頼んでいた食べ物が運ばれてきた。
枝豆に唐揚げ、刺身の盛り合わせが次々とテーブルに並べられる。
「では、ごゆっくりどうぞー!」
先ほどと全く同じ、マニュアル通りの挨拶を残し、店員はまた去って行った。
結局は、人当たりの良い瀬野の人柄だろう、と宏樹は思っている。
「――恋愛絡みですよ」
半ば自棄になりながら、宏樹は吐き捨てるように言った。
瀬野は、待ってました、とばかりに気持ち悪いほど目を爛々と輝かせている。
「なるほどなあ。もしやとは思ったが、やっぱ恋の悩みだったかあ。うん、いいねえ!」
何がいいもんか、と言い返しそうになったが、すんでのところで宏樹はその言葉を飲み込んだ。
「で、その彼女とはどうなったんだ? ん?」
「――別れてますよ」
身を乗り出す勢いで訊ねる瀬野に対し、宏樹は憮然として答えた。
そのとたん、瀬野は今までとは打って変わり、そのまま固まってしまい、視線をあらぬ方向へさ迷わせている。
拙いことをを訊いてしまった、と思ったのか、それとも、宏樹への励ましの言葉を考えているのか、さすがの宏樹もそこまで覗うことがが出来なかった。
そのうちに、頼んでいた食べ物が運ばれてきた。
枝豆に唐揚げ、刺身の盛り合わせが次々とテーブルに並べられる。
「では、ごゆっくりどうぞー!」
先ほどと全く同じ、マニュアル通りの挨拶を残し、店員はまた去って行った。