◆◇◆◇◆◇
放課後、人の疎らになった教室の中で、涼香は黙々と帰り支度を始めていた。
今日は委員会の集まりがあったので、待たせるのも悪いと思い、紫織は先に帰らせた。
その紫織は、ギリギリまで、涼香を待っている、と言い張っていたのだが。
(大人しそうなくせに、意外と頑固だからなあ)
通学カバンに教科書を詰め込みながら、涼香は微苦笑を浮かべる。
今朝、裏庭に出た涼香達は、一時間目の授業が終わってから教室に戻った。
案の定、教師にはあとで呼び出しを食らい、こってり絞られたが、紫織と心を開いて話を出来た喜びの方が大きかったため、説教も不思議と苦には感じなかった。
ただ、紫織は病み上がりだったこともあり、解放されてからは少々ぐったりしていたように見受けられた。
そればかりは、少し可哀想なことをしたかな、とさすがの涼香も反省した。
そんな経緯もあって、涼香は紫織に、とっとと帰って休みな、と言ったのである。
(説得力ゼロだけどね)
涼香は教科書を全て詰め終えると、椅子から立ち上がった。
と、その時であった。
静まり返った教室内に、勢い良く戸が開かれる音がした。
涼香はビクリと身体を反応させ、そちらを見た。
同時に、目を見開いたまま呆然としてしまった。
放課後、人の疎らになった教室の中で、涼香は黙々と帰り支度を始めていた。
今日は委員会の集まりがあったので、待たせるのも悪いと思い、紫織は先に帰らせた。
その紫織は、ギリギリまで、涼香を待っている、と言い張っていたのだが。
(大人しそうなくせに、意外と頑固だからなあ)
通学カバンに教科書を詰め込みながら、涼香は微苦笑を浮かべる。
今朝、裏庭に出た涼香達は、一時間目の授業が終わってから教室に戻った。
案の定、教師にはあとで呼び出しを食らい、こってり絞られたが、紫織と心を開いて話を出来た喜びの方が大きかったため、説教も不思議と苦には感じなかった。
ただ、紫織は病み上がりだったこともあり、解放されてからは少々ぐったりしていたように見受けられた。
そればかりは、少し可哀想なことをしたかな、とさすがの涼香も反省した。
そんな経緯もあって、涼香は紫織に、とっとと帰って休みな、と言ったのである。
(説得力ゼロだけどね)
涼香は教科書を全て詰め終えると、椅子から立ち上がった。
と、その時であった。
静まり返った教室内に、勢い良く戸が開かれる音がした。
涼香はビクリと身体を反応させ、そちらを見た。
同時に、目を見開いたまま呆然としてしまった。



