◆◇◆◇
学校へ着くと、外とは対照的な暖かさに加え、涼香の明るい笑顔に迎えられた。
「おおっ! 紫織おはよーっ!」
教室に入るなり、涼香は紫織に声高らかに挨拶し、さらには人目も憚らずに抱き着いてきた。
「あんた、風邪引いたんだって? もう、私、すっごく心配してたんだからねえ!」
抱き締めるのに加え、今度は頭をグシャグシャと撫で回す始末。今朝の宏樹よりも遥かに乱暴だ。
「ちょっ……! 分かったから離して……!」
「何言ってんのよお? 今さら恥ずかしがる必要なんてないって!」
「違うって……! み、みんなが見てるでしょ……」
「んなもん気にしない!」
「気にするってばあ!」
さすがに紫織も強く突っ込みを入れた。
現に今、紫織と涼香はクラス中の晒し者になっている。
こいつら絶対ヤバいって、とクラスメイト達の目は言っている。
「りょ、涼香、せめて教室出ようよ。ね? ね?」
紫織が必死で訴えると、涼香は口の端を上げ「仕方ないな」と、やっとで解放してくれた。
「じゃ、せっかくだからふたりっきりの時間を作ろうか?」
またしても誤解を招く言い方をする涼香。
紫織はガックリと項垂れた。
これにより、さらにクラスメイト達の好奇心を煽ったことは言うまでもない。
学校へ着くと、外とは対照的な暖かさに加え、涼香の明るい笑顔に迎えられた。
「おおっ! 紫織おはよーっ!」
教室に入るなり、涼香は紫織に声高らかに挨拶し、さらには人目も憚らずに抱き着いてきた。
「あんた、風邪引いたんだって? もう、私、すっごく心配してたんだからねえ!」
抱き締めるのに加え、今度は頭をグシャグシャと撫で回す始末。今朝の宏樹よりも遥かに乱暴だ。
「ちょっ……! 分かったから離して……!」
「何言ってんのよお? 今さら恥ずかしがる必要なんてないって!」
「違うって……! み、みんなが見てるでしょ……」
「んなもん気にしない!」
「気にするってばあ!」
さすがに紫織も強く突っ込みを入れた。
現に今、紫織と涼香はクラス中の晒し者になっている。
こいつら絶対ヤバいって、とクラスメイト達の目は言っている。
「りょ、涼香、せめて教室出ようよ。ね? ね?」
紫織が必死で訴えると、涼香は口の端を上げ「仕方ないな」と、やっとで解放してくれた。
「じゃ、せっかくだからふたりっきりの時間を作ろうか?」
またしても誤解を招く言い方をする涼香。
紫織はガックリと項垂れた。
これにより、さらにクラスメイト達の好奇心を煽ったことは言うまでもない。