最近、つごもりさんも料理が作れるようになった。缶詰料理を教えてあげたらハマったらしく、料理当番の日はいろいろな缶詰料理をふるまってくれる。

 本日の朝食は、サンマの蒲焼きを卵とじにして、どんぶりにしたもの。朝から、どん!と四人分のどんぶりが食卓に並ぶ。

 もちづき君のどんぶりは私のものより一回り大きい。相変わらずの健啖家のようだ。あの細い体のどこに入って行くのか、謎である。

「じゃあ、食べようか」

 もちづき君の一言のあと、手と手を合わせていただきますをする。

 まずはお茶を飲んで胃を温めてから、“サンマの蒲焼き卵とじ丼”を食べる。
 朝からどんぶりなんて……と思っていたが、以外とあっさりしている。蒲焼きの濃い味付けを、卵がまろやかにしてくれるようだ。

「お、おいしい! つごもりさん、これ、おいしいです」

 返事をする代わりに、つごもりさんはにっこり微笑んだ。あまりの愛らしい笑顔に、頭をよーしよしよしと撫でそうになったが、ぐっと我慢した。狛犬でも、今は成人男性の姿なので。

「へえ、意外とおいしいですね」

 良夜さんも、絶賛している。缶詰の可能性は、無限大なのだ。