「は!? おい、なんだ、その態度は!?」

「同じお言葉を、そっくりそのままお返しします」

 鷹司さんは「うがー!」と叫び、水を飲もうとしたが氷しか入っていないことに気付いて憤る。

「水が、ない!! この店の店員は、どうなっているんだ!!」

 怒る鷹司さんに、良夜さんは辛辣に返した。

「外に降っているので、水が欲しかったら注ぎに行ってはいかがでしょう?」

「外って、雨だろうが! この私に、雨水を飲めと?」

「はい」

「はいって、おいおい!!」

 気持ちいいくらい、突っ込んでくれる。笑いそうになるが、笑ったらふたりから睨まれてしまうだろう。奥歯を噛みしめ、ぐっと耐えた。

 ふと、背後に人の気配を感じる。振り返った先にいたのは、つごもりさんだった。

 じっとりとした目で、鷹司さんを睨んでいた。