夕方に、葵お婆ちゃんのお孫さんがやってきた。元気がなかったマリーちゃんは、尻尾を振って駆けて行く。
「祖母とマリーが、大変お世話になりました」
葵お婆ちゃんは、一ヶ月ほど入院するらしい。マリーちゃんはお孫さんが面倒を見てくれるようだ。
「本当に、ご迷惑をおかけしました。いつか、こうなるのではと、家族が話していたのですが……」
ご家族は電車で一時間離れた町に住んでいるようだ。一緒に住まないかと誘ったものの、葵お婆ちゃんは頷かなかったと。
「生まれ育ったこの町でしか暮らせないと、ワガママを言っていて。介護士も毎日頼むからという願いすら、聞き入れてもらえなかったのです」
「そう、だったのですね」
なんでも、亡くなった旦那さんと作った家を、手放したくなかったという気持ちもあったのだという。
「あの土地は地主さんから借りている土地で、誰も住まなくなったら、返さなければいけないみたいで……」
「祖母とマリーが、大変お世話になりました」
葵お婆ちゃんは、一ヶ月ほど入院するらしい。マリーちゃんはお孫さんが面倒を見てくれるようだ。
「本当に、ご迷惑をおかけしました。いつか、こうなるのではと、家族が話していたのですが……」
ご家族は電車で一時間離れた町に住んでいるようだ。一緒に住まないかと誘ったものの、葵お婆ちゃんは頷かなかったと。
「生まれ育ったこの町でしか暮らせないと、ワガママを言っていて。介護士も毎日頼むからという願いすら、聞き入れてもらえなかったのです」
「そう、だったのですね」
なんでも、亡くなった旦那さんと作った家を、手放したくなかったという気持ちもあったのだという。
「あの土地は地主さんから借りている土地で、誰も住まなくなったら、返さなければいけないみたいで……」