「あ、あの」

「ん?」

「私、ここで、暮らしたいです。カフェで働いて、祖母の味を、たくさんの方々に、味わっていただきたいなと、思います」

 もちづき君は、すっと目を細めた。
 つごもりさんは、柔らかく微笑んでくれる。

 良夜さんは、「仕方がない」とばかりに、腕を組んでいた。
 昨晩と違って、態度が柔らかくなっているような?

「わかった。花乃、あんたを、巫女として認める」

 つごもり君が差し出した手を、握り返した。すると、手のひらが光り、パチンと音が鳴る。