そんな私に、満月大神は寛大な態度を見せてくれる。

「いいよ。あんたは、幸代と違って臆病で、弱っちくて、意志も弱い。この場で決めることはできないだろうから、明日の晩まで待ってやる」

 満月大神は扇をパチンと閉じた。鈴の音が、シャンと鳴る。

 パチパチと瞬きしている間に、満月大神の姿はなくなった。つごもりさんと良夜さんは、回れ右をしてどこかへ駆けて行く。

 ひとり残された私は、たくさんの疑問符を頭上に浮かべたのだった。

 ◇◇◇