考え抜いた結果、私はパティシエールとなった。祖母がしていた手仕事と同じように、毎日お菓子を作って、たくさんの人達に喜んでもらえるから。
運よく、都内でも有名なパティスリーに就職したものの、祖母の暮らしとはほど遠い。忙しいだけの、めまぐるしい日々を過ごしている。
毎日残業が続き、休日出勤もこなしていた。休日は家で大人しく眠るだけだった。
祖母とは、一年に一回会えたらいいほう。
たった二時間だけの距離なのに、大人になった私には遠い場所のように思えてならなかった。
いつか、祖母の住む町に小さなカフェを開けたらいいな……。私がお菓子を焼いて、祖母がお茶や紅茶を淹れてくれる。
そんな夢を語ったとき、祖母は嬉しそうに微笑んでいた。
祖母は「だったら、この家を改装して、“かふぇ”にしたらいいよ」なんて楽しそうに話していたのに――
祖母は突然亡くなってしまった。
◇◇◇
運よく、都内でも有名なパティスリーに就職したものの、祖母の暮らしとはほど遠い。忙しいだけの、めまぐるしい日々を過ごしている。
毎日残業が続き、休日出勤もこなしていた。休日は家で大人しく眠るだけだった。
祖母とは、一年に一回会えたらいいほう。
たった二時間だけの距離なのに、大人になった私には遠い場所のように思えてならなかった。
いつか、祖母の住む町に小さなカフェを開けたらいいな……。私がお菓子を焼いて、祖母がお茶や紅茶を淹れてくれる。
そんな夢を語ったとき、祖母は嬉しそうに微笑んでいた。
祖母は「だったら、この家を改装して、“かふぇ”にしたらいいよ」なんて楽しそうに話していたのに――
祖母は突然亡くなってしまった。
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