バン!!という音と同時に、引き戸が外れて倒れてくる。
一緒に外に身を投げ出されたのは、先ほどの男性だ。
家の中には蹴り上げた姿勢の、金髪碧眼の美少年が。
長いウサギ耳のパーカーに、今時珍しい短パンを合わせている。白い膝小僧が、大変眩しかった。
ちょっと、情報量が多すぎて、何が起こったのかわからなくなる。
美少年はにっこりと微笑みながら、問いかけてくる。
「あんた、幸代の孫だね?」
“あんた”と呼ばれたのに、反論できない貫禄があった。見た目は少年なのに、喋り方はどこか大人びている。コクコクと頷くと、問いかけてくる。
「“忘れ物”を、していないか?」
「え!? な、なんのこと、ですか?」
「東京に」
忘れ物なんて、していないはずだ。スマホに財布、カード類に免許、保険証だって持ってきている。
「忘れ物は、ない、です」
「そう。まあ、いいか」
いったい、なんだったのか。首を傾げていたら、家の中へ手招いてくれた。
「おい、つごもり。倒れていないで、幸代の孫の荷物を運べ。おい! 茶を用意しろ!」
呼びかけた先は、台所である。もしかして、銀髪赤目の青年に声をかけたのだろうか。
一方、黒髪の青年は起き上がり、恐る恐るといった感じで私の鞄へと手を伸ばした。
「あ、いえ、鞄は、大丈夫ですので」
「ちょっと! あんたには、こっちにおいでって言ったんだ」
美少年の声には、怒気と従わなればならない何かを感じる。
私は鞄を黒髪の青年に託し、小走りで玄関へと向かった。
「う……うわ」
一緒に外に身を投げ出されたのは、先ほどの男性だ。
家の中には蹴り上げた姿勢の、金髪碧眼の美少年が。
長いウサギ耳のパーカーに、今時珍しい短パンを合わせている。白い膝小僧が、大変眩しかった。
ちょっと、情報量が多すぎて、何が起こったのかわからなくなる。
美少年はにっこりと微笑みながら、問いかけてくる。
「あんた、幸代の孫だね?」
“あんた”と呼ばれたのに、反論できない貫禄があった。見た目は少年なのに、喋り方はどこか大人びている。コクコクと頷くと、問いかけてくる。
「“忘れ物”を、していないか?」
「え!? な、なんのこと、ですか?」
「東京に」
忘れ物なんて、していないはずだ。スマホに財布、カード類に免許、保険証だって持ってきている。
「忘れ物は、ない、です」
「そう。まあ、いいか」
いったい、なんだったのか。首を傾げていたら、家の中へ手招いてくれた。
「おい、つごもり。倒れていないで、幸代の孫の荷物を運べ。おい! 茶を用意しろ!」
呼びかけた先は、台所である。もしかして、銀髪赤目の青年に声をかけたのだろうか。
一方、黒髪の青年は起き上がり、恐る恐るといった感じで私の鞄へと手を伸ばした。
「あ、いえ、鞄は、大丈夫ですので」
「ちょっと! あんたには、こっちにおいでって言ったんだ」
美少年の声には、怒気と従わなればならない何かを感じる。
私は鞄を黒髪の青年に託し、小走りで玄関へと向かった。
「う……うわ」