白いロンＴに、下は黒いチノパンだろうか。ラフな恰好だが、イケメンが着ているとオシャレに見えるから不思議だ。

　先ほどの銀髪の青年よりは、話しかけやすそうに見えた。勇気を出して、声をかけてみる。

「あ、あの、ここは――？」

　話しかけた瞬間、青年はぎょっとするどころではない驚き方をする。
　目を見開き、肩を震わせたあと、石像のように動かなくなった。
　またしても、存在感がないばかりに、驚かせてしまった。

「す、すみません。その――」

　一歩前に踏み出した瞬間、引き戸をぴしゃりと閉められる。
　拒絶されてしまったのだろうか？

　そう思ったのと同時に、「何やっているんだ！」という少年の声の怒号が聞こえた。