放課後、光留はバスケの練習へ向かう。
と、椅子のネジを緩めたのとは違う、あのグループの別のメンバーに呼び止められた。

「……何?」

光留の声は、怯えで若干震えていた。
それを見て、メンバーの男はフッと笑って、声色を変えた。

「あなたに、『先生を堕ろさせる会』の正式メンバーになる許可が出たことを、今ここに報告します」

光留の身体が、小刻みに震え出す。

「……『先生を堕ろさせる会』……?」
「ああ、気に入らねえんだよ、あんな奴に子供が出来るなんて。だから、産ませねえんだよ、分かるだろ?」
「え、でもそれって……」
「お前は、俺たちの指示に従うだけでいいんだ。な?そうだろ」

気付けば、光留たちの周りには、グループのメンバーが揃っていた。

「逃げるのは無しだぞ」

男が言うと、残りのメンバーはニヤリと笑って、教室から出て行った。
教室には、光留1人となった。

光留は『先生を堕ろさせる会……』と呟いて、今後の不安に苛まれた。