「もう嫌だ！こんな世界。」
そう思うようにようになったのはいつからだったか。
今日も私、月見里(やまなし)ひなたは学校に行く気がしない。
別に、高校に嫌な奴がいると決まっている訳じゃないのに。
それでも布団の中でうずくまってしまう。
自分でも行かなきゃいけないと思っている。
でも体が拒否してしまう。
「ひなたーーー、今日から高校なんだから準備するのよ。家のカギ閉めてってね。」
母親の声が聞こえる。
きっと本人は何の悪気もないのだろうが、私にとってはそれすらもプレッシャーとして感じてしまう。
それでも重い身体を鼓舞し、準備をする。
「大丈夫、絶対大丈夫だから。」自分にそう言い聞かせる。
そう、私も今日から高校生なのだ。決めたじゃないか、高校は行くって。
もう、中学のようなことはしない。
朝食を軽く済ませた私は家を出る。
「……っ」
出た瞬間、猛烈な吐き気に襲われるが必死にこらえて足を進める。
普段なら周りの目を気にするけれど、今はそんな余裕なんてない。
交差点まで来た。もうすぐ駅だ。だけど、足が動かない。
「なんで、なんでこうなっちゃったの？私だって、普通の学校生活を送りたかったのに！」気が遠くなる。
視界が、Blackoutした。