そうして、私達は図書館からまた10分程の距離を歩き、持明院先輩の自宅へとたどり着いたのだった。
初めて見るお金持ちの家にカナリ緊張しつつ、目の前にあるのは大きな門構えの古式ゆかしい日本家屋だった。
周囲はぐるりと、高い塀に囲まれていて自宅自体はよくは見えないが、立派な松の木が塀を超えて見え、大名屋敷みたいな佇まいである。
なんだか勝手に私のイメージの中では、持明院先輩はベルサイユ宮殿みたいな所に住んでいるイメージだったので、ちょっと驚いた。
それにしたとしても、カナリの豪邸ではある。
私は門を見上げて、呆然としていた。
「門がそんなに珍しいか?」
「い、いえいえ! その、やっぱり立派なお屋敷なんですね」
「そうか? 普通だが」
今の発言は相当敵を作ると思いますよ先輩。
「ほら、とっとと入れ」
後ろから背中を押され、私は持明院家の敷地の中へと入った。
中も相当立派だ。
大きな松の木の下には石庭というのだろう、白い石の敷き詰められたお寺か料亭の写真でしかみた事のないものが広がっている。
そして、その奥にはもしかしたら重要文化財とかの類かもしれない、立派すぎるお屋敷が建っていた。
こんな家、大河ドラマか歴史の教科書でしかお目にかかった事はない。
「本当に由緒正しいおウチの方だったんですね……先輩」
「コレを裏に置いて来る、少し待ってろ」
そう言い残し先輩は、自転車を引いて屋敷の裏へと歩いて行ってしまった。
私はただ呆然と、日常ではほぼありえない光景を目の当たりにして立ち尽くしているだけだった。
そんな私の耳に、遠くから声が掛けられる。
「こんにちは~、あんたがもしかして輪ぼっちゃんの友達かい?」
スーパーの袋を両腕に下げたエプロン姿のおばさんが、手を振りながら先輩の向かったお屋敷の裏手から近づいて来る。
おばさんはニコニコととても愛想良く、初対面の私にも優しく微笑んだ。
「今ぼっちゃんがお友達連れて来たっていうからね、珍しい事もあると思って急いで来たのよ」
「佐野さん」
そこへ、裏手から先輩がおばさんに駆け寄って来た。
「藤城、こちらはウチで長年勤めてくれているお手伝いさんの佐野さんだ」
「はじめまして~。輪ぼっちゃんが、いつもお世話になっております」
佐野さんは、私に深々とお辞儀した。
「はっ、はじめまして藤城桃香です。持明院さんの後輩です」
私も負けじと、深々お辞儀を返す。
すると佐野さんは、ナゼか私の顔をじ~っと見つめてきた。
「あの~、何か?」
初めて見るお金持ちの家にカナリ緊張しつつ、目の前にあるのは大きな門構えの古式ゆかしい日本家屋だった。
周囲はぐるりと、高い塀に囲まれていて自宅自体はよくは見えないが、立派な松の木が塀を超えて見え、大名屋敷みたいな佇まいである。
なんだか勝手に私のイメージの中では、持明院先輩はベルサイユ宮殿みたいな所に住んでいるイメージだったので、ちょっと驚いた。
それにしたとしても、カナリの豪邸ではある。
私は門を見上げて、呆然としていた。
「門がそんなに珍しいか?」
「い、いえいえ! その、やっぱり立派なお屋敷なんですね」
「そうか? 普通だが」
今の発言は相当敵を作ると思いますよ先輩。
「ほら、とっとと入れ」
後ろから背中を押され、私は持明院家の敷地の中へと入った。
中も相当立派だ。
大きな松の木の下には石庭というのだろう、白い石の敷き詰められたお寺か料亭の写真でしかみた事のないものが広がっている。
そして、その奥にはもしかしたら重要文化財とかの類かもしれない、立派すぎるお屋敷が建っていた。
こんな家、大河ドラマか歴史の教科書でしかお目にかかった事はない。
「本当に由緒正しいおウチの方だったんですね……先輩」
「コレを裏に置いて来る、少し待ってろ」
そう言い残し先輩は、自転車を引いて屋敷の裏へと歩いて行ってしまった。
私はただ呆然と、日常ではほぼありえない光景を目の当たりにして立ち尽くしているだけだった。
そんな私の耳に、遠くから声が掛けられる。
「こんにちは~、あんたがもしかして輪ぼっちゃんの友達かい?」
スーパーの袋を両腕に下げたエプロン姿のおばさんが、手を振りながら先輩の向かったお屋敷の裏手から近づいて来る。
おばさんはニコニコととても愛想良く、初対面の私にも優しく微笑んだ。
「今ぼっちゃんがお友達連れて来たっていうからね、珍しい事もあると思って急いで来たのよ」
「佐野さん」
そこへ、裏手から先輩がおばさんに駆け寄って来た。
「藤城、こちらはウチで長年勤めてくれているお手伝いさんの佐野さんだ」
「はじめまして~。輪ぼっちゃんが、いつもお世話になっております」
佐野さんは、私に深々とお辞儀した。
「はっ、はじめまして藤城桃香です。持明院さんの後輩です」
私も負けじと、深々お辞儀を返す。
すると佐野さんは、ナゼか私の顔をじ~っと見つめてきた。
「あの~、何か?」