その後、駆け付けた警官に女は連れて行かれ、私達も事情聴取を受けた。
数時間前にも、女がねねちゃんの庭に侵入していた事もあったので、そこまで深く聴かれる事は無かったが。
「フっ……コレで万事解決っ!! 我々心霊研究部の活躍あってこそだなっ!!」
持明院先輩……何かしましたっけ?
確かに、富岡先輩は頑張ってましたし、山寺先輩も援護してくれましたけど……。
寝てましたよね?
確かに、殺虫剤は持明院先輩が持って来たものだから、そこだけは感謝するけど……
「ももちゃん……ありがとう、本当にありがとう」
ねねちゃんが私にギュッと抱きついて来た。
「う、ううん、私よりお礼なら先輩達に……」
持明院先輩だけは何もしてないけど。
すると、何故かねねちゃんは真っ先に富岡先輩ではなく持明院先輩に駆け寄り、お礼を言った。
「先輩! ありがとうございました、先輩がずっと私の側にいて安心させてくれて……警察への電話も的確にしてくれたから……」
えっ?
えぇっ??
「もう安心して眠れるな」
そう言って、持明院先輩はねねちゃんに微笑んだ。
話しに全く着いていけない私に、ねねちゃんがコソッと教えてくれた。
「持明院先輩、すぐに私のとこに来てくれてずっと隣で大丈夫だって慰めてくれたの……警察にも先輩が電話してくれて、それにね……」
「それに?」
「アイツらなら大丈夫って、富岡先輩や山寺先輩は頼りになる奴らだからって……信じてるから絶対大丈夫だって、それからももちゃんの事も……」
「何それ……」
私は苦笑いしていた。
「でも、途中でももちゃんの声が下から聞こえるとね、先輩下に行こうとするから……私、引き止めてた……一緒にいて下さいって……」
「そ、そうだったんだ……」
先輩は、私の事を心配して助けに行こうとしてくれいたんだ……
いや、でもそれはあくまで私が先輩の求める霊感少女だからであって……他意はないだろうし、貴重な新入部員だからってだけで……
んっ?
私、なんでこんな必死に考えてるんだろ……
「持明院先輩、ちょっといいかも……」
そう言ってねねちゃんは頬を赤らめた。
「えっ、えぇ~っ!?」
そうして……
私が最近で一番くらいの驚きの声をあげたところで、この事件の幕は下りた。