「……という、ワケなんです」
放課後、私とねねちゃんは心霊研の部室に来ていた。
富岡先輩と山寺先輩は私達の話しを静かに聞いてくれた。
持明院先輩に至っては目の輝きが尋常ではない程で、興奮冷めやらぬといった感じだ。
「豊国だったな? フフフっ、よくぞオレに相談した! 任せろ! この持明院輪様がなんとかしてやろうじゃないか! 大船に乗ったつもりでいればいい!!」
持明院先輩は椅子に片足を乗せて、両手を腰にあてるポーズで決意表明をしている、任せろという意気込みだけは伝わって来た。
そんな安請け合いをしてしまって良いのかと、多少の不安こそはあるが、今はワラにも縋りたいのでそんな持明院先輩ですら頼もしく思えてしまう。
「も、桃香ちゃん……」
ねねちゃんがこっそりと耳打ちをして来た。
「い、いいのかな?」
「何が?」
「えっ? だって、持明院先輩にそんなお願いなんて……」
いや、多分持明院先輩はお金を払ってでもこの件に関わりたいだろう。
「それに、ここって一体……なんの活動をしてるとこなの?」
ねねちゃんは、心霊研の部室をゆっくりと見回した。
ガムテープで補強された割れた窓ガラス、カーテンは裂け、乱雑に置かれた椅子や机、綿のはみでたソファ、積み重なる怪しいDVDと写真集……下手をすれば何か違法な売買をする売人のアジトと言っても過言ではない。
「こ、ここはね、あの、えっと前にも少し話したけど、人助けをする部活、うん! そう!」
「はっ!? 何を言うかここは崇高なる心霊……」
私は、即座に持明院先輩の足の下にある椅子を蹴り上げた。
「うぉっ!?」
バランスを失った持明院先輩は富岡先輩にナイスキャッチで支えられ、危機を逃れる。
「なっ、何をするっ藤城!?」
抗議する持明院先輩を、富岡先輩が見事に遮った。
「輪ちゃんなら、そんな女5秒でノックアウトだもんね~?」
「ふ、フンっ! まあな、オレにかかれば黒い女だろうが、白い変人だろうが一網打尽だっ!」
山寺先輩の北海道撮影旅行土産である、似た様な名前のラングドシャクッキーに齧り付きながら先輩はふんぞり返った。
「……俺たちでよければ力になるから……」
山寺先輩の言葉にねねちゃんは神様でも見たかの様な表情をして、深々とお辞儀をする。
「よ、よろしくお願いします!」
「桃ちゃん、桃ちゃん……」
富岡先輩がちょいちょいと、私に手招きをする。



